金融庁 NISA

金融庁ついででもう一つ。金融庁のお墨付きのNISA、投資にかかるコストが低いことでお勧めのETFと並んで、一押しですね。しかし、ちょっと警鐘を鳴らしておきたいのが積み立てNISAです。実はETFにも金融庁の大失態があったんですが、これはまた後日書く予定です。

忌まわしい記憶しかない制度商品

積み立てNISAは毎月同額を同一銘柄に投資していく手法と、非課税が売り物で、それなりに残高は増加しているようです。ただ、取り扱う金融機関にとっては収益性も低く、真剣に取り組んでいる大手金融機関は皆無と思われます。

金融機関では、この手のお上主導で導入される商品のことを制度商品と呼びます。古くは株累投やミニ株など、毎月積み立てで買い付けていく商品がありましたが、これには証券会社は手を焼きました。もの凄いコストが掛かってしまう割りに収益はほとんどなし。やっとこの制度商品を廃止できたと思ったらNISAが登場したわけです。

積み立てNISAは儲かるのか

毎月同額を買い付けるというのは、投資における買いのタイミングを分散させ、平均的な買い付け単価にしてくれるというメリットがあります。また、積み立てNISAの場合は買い付け時手数料がかからない(かなり安い)、信託報酬も非常に少なくてすむというメリットもあります。金融庁もそこを最大限アピールしていますね。

しかし、一方で認識しておかなければならないのは、20年にわたる投資期間には非常に高いリスクがあるということです。戦後の高度成長期やバブルがはじけた以降のマーケットは基本的に長期に投資していれば勝つことができました。

実はkuniが業界に入った頃に始めた持ち株会(これも毎月同額を買い付けていく商品です)は、30年たっても報われませんでした。要するにその長期間、それなりに成長してくれる投資対象を選ばなければ意味がないわけです。今の日本、全産業が20年間確実に成長していくとは思えません。投資信託の銘柄選定はとても難しいと思います。

加えて、現在の株価水準は相当高いところにありますし、日銀が一生懸命ETFを買い付けることで、株式市場は下駄を履かされている状態です。いずれ何かしらの形でバブルがはじけ、長期投資のメリットを帳消しにしてしまうでしょう。

マーケットが一旦壊れてからのスタート

日銀のETF買い付けやNISA、積み立てNISAの積極推奨により、現在は相応に高い水準と考えてください。20年間というリスクを抱え続けるよりは、最初の5年間を捨てたつもりで、暴落場面を待って投資を開始するのがよろしいかと。

実体経済の50倍もあると言われる金融経済。まさに、犬の尻尾が胴体を振り回すのが当たり前になっている世の中ですから、バブルは必ず来ます。必ず大きく下げる場面があります。長期投資はそこからスタートでも遅くはないと思います。もちろん、自己責任ですよ。

金融庁長官 遠藤俊英氏 

金融行政のあり方を大きく変化させた森長官のあとを引き継ぎ、7月、遠藤俊英氏が長官に就任しました。「金融財政事情」にインタビュー記事がありましたので、感想やら何やら。

前任の森信親長官が残したもの

史上最強といわれ、これほどまでに金融機関が振り回された長官は過去に居なかったと思われます。地銀の再編に注力し、フィデューシャリー・デューティー(顧客本位の業務運営)を金融機関に求め続けました。金融機関との対話にも力を入れ、従来の金融機関に対する検査を、大きく変えたのも彼の考え方によるものと言われます。

しかしながら、長期政権といわれた3年間、何もかも成し遂げることなく、後任に残したままの退任となりました。中でも「仮想通過」と「スルガ銀行」に対する甘い読みは、後に大きな傷跡を残すことに。森長官自身が仮想通貨に対して相当柔軟な姿勢で対応したことや、スルガ銀行のビジネスモデルを「地銀のお手本」と称賛してきたことは有名な話です。

第10代長官 遠藤俊英氏

検査局長や監督局長を歴任し、金融行政に精通していると言われる遠藤氏。インタビュー記事では「金融庁では広範な行政テーマや課題を設定してきたが、」と前置きし、前長官が理想に燃えて拡げてしまったテーマや、失策により炎上させてしまった課題に対し、「具体的に実行していくステージ」と表現しています。

確かに気の毒ではあります。本人の言葉としても「(前長官時代に)金融行政のあり方を大きく見直した。様々な議論を重ねた結果、金融行政としてかなりウィングの広い枠組みとなっている」と説明しています。

「顧客本位の業務運営」、「金融機関に対するモニタリング」などについて答えているのですが、いずれも前長官時代に聞かされてきた話で、目新しいものはありません。唯一、この人が色を出せるとしたら、金融機関トップとの対話(記事のタイトルにもなってます)でしょうか。地域金融機関トップとの対話には、こちらもトップが出て行かないと、相手も真剣に議論する気にならないだろうと言ってます。

それでも踏み込みが甘いスルガ銀行

スルガ銀行の件については、「個人的には忸怩たる思いがある」と言ってますが、「現場に一番近い内部監査や経営陣が問題を十分把握していない段階で、監督当局である自分たちがそれを察知するのは難しい」という逃げ口上。

金融庁が作成した資料でも、スルガ銀行の収益性は他行を大きく引き離しており、違和感があったはず。少なくとも民間の金融関係者はそう思ってました。金融庁の方針の中に「ベストプラクティスの共有化」なんてワードが何度も踊ってましたし、そうしようと思ったらスルガ銀行のビジネスモデル調べるでしょ。長官が手放しで称賛しちゃったりする前に。その権限こそが金融庁が持つ金融機関への検査権限でしょ。

就任のタイミングの悪さには同情するものの、これからの金融庁もあまり期待できそうじゃないなぁ、って感じでした。

株式投資 ヤフー(4689) 393円 その2

テクニカル面からの考察

テクニカルというのは、売買するのに最適なタイミングを計るための分析といった意味です。今買うべきかどうか、という考察になります。ヤフー株、実はこれまでかなり売られて、下げてきた銘柄なんです。第二位の大株主アルタバ(旧米国ヤフー)が発行済み株式の35%にあたる持ち株を売却すると言っていて、その売りがいつ出てくるかと市場は怯えてたんですね。自分が買ったとたんにアルタバが売り始めたら、と考えるとなかなか買う気になりません。

今年の初めからの株価推移を見ると、1月高値549円からほぼ一貫して下げ続け、7月安値350円まで売られています。現在株価はこの最安値から40円ほどもどったところになります。

アルタバ保有全株を売却

アルタバがその保有全株を9/10に売却しました。市場外で売却されたんですが、その話が伝わった市場では売り買い交錯、出来高1億7千万株と、強烈な出来高になりました。kuniはこれをターニングポイントだと思ってます。

スマホによるキャッシュレス決済という材料は既にマーケットでも相当織り込んできた(株価に反映されてきた)話題だと思います。しかしこのヤフー株は大株主の売りという悪材料があって、十分に織り込んできていない銘柄だと考えられます。いわゆる出遅れ感があるわけです

この材料で銘柄を選ぶ際、LINEや楽天でも構いません。どちらも非常に魅力的だと思います。しかし、その材料をある程度織り込んでしまうと、株価は相応に上昇しており、そこから買い付いたのでは投資に勝ち難いんです。もちろん、ネットで短期売買を決め込んでる人たちにはこういう銘柄でも良いわけですが。

株式投資は基本、中・長期投資です。長い間いろいろな投資家を見てきましたが、短期で頻繁に勝負される投資家が勝ち続けるのを見たことはありません。ここから中・長期戦で参戦するのであれば、ヤフー株は手を出し易い水準だと思います。

目標株価

せっかくここまで書いてきましたので、目標株価も考察しておきましょう。まずは今年の高値から安値まで下げてきた半値戻しで450円。価格帯別出来高でみて520円、全値戻しで550円。セオリー通りにいくとこのあたりが当面の目標になります。

今後、新たな材料が出てくることも考えられます。その場合はさらなる上値も十分ありうるのではないかと思います。kuni自身も少し買ってみたいので、今後も状況をお伝えしていきますね。

それから、本来ならペイペイを買いたいところですが、未上場企業ですので親会社のヤフーを、という話です。最初に書いておくべきでした。ごめんなさい。最後に、株式投資は自己責任です。ご自身でも十分調べていただき、判断してくださいね。

株式投資 ヤフー(4689) 393円

以前、キャッシュレス決済について連載しましたが、その中で株式投資の対象として面白そうな銘柄、ヤフー(銘柄コード4689)を取り上げてみます。

多数のプレイヤーが参戦するフィンテックの決済分野

スマホ決済サービスに名乗りを上げている企業は、既に10社ほどになるでしょうか。LINE、楽天、ペイペイ、アマゾン、NTTドコモなどが動き始めています。ちなみに、ペイペイというのはソフトバンクとヤフーが共同で設立した会社です。この5社は既に、それなりの顧客等の強力な基盤を持っており、相当アドバンテージがあると見られています。

ペイペイ(ヤフー、ソフトバンクの子会社)

この中でなぜペイペイが面白そうか。ソフトバンクが持つキャリアとしての顧客基盤、ヤフーが持つ知名度とPCポータルサイトでの顧客基盤。このあたりは特にこれ以上説明は要らないと思います。

また、インドの電子決済サービス事業者paytm(ペイティーエム)の技術を導入することを公表していますが、この会社、インドで3億人以上のユーザーと800万の加盟店を持つという凄い会社なんです。

さらに、中国のアリペイとも連携し、ペイペイ加盟店で、中国人観光客のアリペイでの決済を可能にすることになったようです(9/5のニュース)。アリペイのアクティブユーザーは8.7億人。キャッシュレス決済に対して二の足を踏みそうな実店舗ですが、これだけの中国人やインド人観光客のユーザーがお店に来てくれるかも、というのはかなり魅力的に映るはず。ペイペイによる囲い込みが一気に進みそうな気がします。

デス・バイ・アマゾン。アマゾンの進出により、ショッピングセンターなど小売業界が壊滅的な被害を受けています。海外から参入してくる企業により、国内の業態を大きく壊されそう。こんな企業のことを黒船なんて言いますが、次の黒船は米国(グーグルやアマゾン)ではなく、中国かもしれません。そして数年先には中国を追い抜き、世界最大人口になるといわれるインドなのかもしれません。

ヤフー(ペイペイ)の魅力について書いてきました。しかし、株式投資はその銘柄の魅力を買うのではありません。時間を買うのです。長くなりましたので、この続きは「その2」で書きますね。

とっても便利な言い回し 「不透明」

証券業界で多用される言葉です。要するに、よく分かりませんって言ってるだけのことなんですけどね。この言葉に注目しながら新聞とか読むと面白いです。お勧めです。

9/14付け日本経済新聞より

このブログを更新している時点から24時間以内の日本経済新聞の記事で、この「不透明」という言葉、なんと20件ほどの記事で使用されてました。kuniは汗かきで紙の新聞読むと手が真っ黒になるため電子版を愛用してます。電子版の検索で20件の記事がヒット、ですから紙の新聞の記事数とは一致しないかもしれません。

アップル成長に新興国の壁 廉価版効果は不透明、「有事の金」は色あせたのか、年末株高論に勢い、米中貿易協議再開を検討、スルガ銀株15年ぶり安値、たまる日本株買い意欲ヤフー株一夜で1兆円需要、、、これらのタイトルの記事の中で使われています。読んでみてください。

基本的な使い方

辞書で調べてみると、「ことの成り行きや実状などが、はっきり示されないこと。また、そのさま。」、「情勢がはっきり見通せないこと」とありました。だから、外からでは内部の事情が伺い知れないような場合、たとえば、「スルガ銀行のガバナンスの実体は不透明だ」などと言うんでしょうね。これは前者の意味で正しく使われている例です。

証券界でもっともよくある使い方は、「何かしらの企業のアクションに対して、・・・業績の回復につながるかは不透明」というような言い回しです。後者の意味で使用されているということですね。

株価の見通しを語る証券会社や経済評論家がよく使うんですが、調査した事実を書き連ね、いろいろ理屈を並べたうえで、最後に「不透明」とくるわけです。

結局わかんねぇのかよ。そこを聞きたいんだろが。と、ツッコミたくなる訳ですが、最近はこの手の逃げ方が常態化しています。見通し、予想なんだから、ハズしても良いから「私は業績の回復にかなり寄与すると思う」って言い切ればいいのにね。その方がファン増えると思うんだけど。言葉の使い方は間違ってないかもしれないけど、あんたらが使っちゃダメでしょ。というお話でした。

サラッと読んでしまうと気が付かないんですが、気をつけて読んでみると分かると思います。本人にも分からないんだ、ってことが。  以上、とても便利な言い回しでした。