キャッシュレス決済で財布のひもが緩む

日経ビジネスに掲載された記事「コンビニ、省人化競争そろり」で書かれていたお話です。キャッシュレスを導入してみたら、つり銭の準備や売上金の管理などの業務が不要になることで利益が向上したという話。あるラーメン店でスマホアプリで注文・決済する仕組みを導入した事例などが紹介されていました。

客単価が1.5倍に

後者の事例では後ろに並ぶ他の客のことを気にすることなく、席について自分のスマホで注文できるため、じっくりトッピングやサイドメニューを追加しやすくなり、結果的に客単価が1.5倍になったということです。これって面白いですよね。決済だけではなく注文も自分のスマホでというところがミソです。

最近チェーンの居酒屋でよく見かけるタブレット端末で注文させるシステム。店員を呼んでテーブルの横に立たせて注文に迷ったり、、、こういうのってkuniは苦手なんですよね。タブレット相手に連れとああでもないこうでもない。いくら悩んでも店員に迷惑かけないでしょ。あの注文システムは優れモノだと思います。

最後にスマホで決済出来ればなお楽ですし、その場で均等割りで複数スマホでの決済が可能なら、割り勘もあっという間です。割り方の比率指定とかも出来ちゃったら便利かもしれません。こういうことって意外にやってみないと分からないことなんでしょうね。他にもまだまだ新しい発見があるんじゃないでしょうか。

キャッシュレス決済がデフレ克服の起爆剤になるかも

日本でクレジットカードが普及しない理由として、「カードを利用すると使い過ぎてしまうから」という意見が少なくありません。現金と違って財布の中から出ていかない決済方法って、おそらく財布のひもが基本緩むんですね。クレジットカードの場合、後から忘れたころに請求が来るからという理由だけではないと思います。

買い物している時に財布の残高が気になって、買い物を躊躇した経験って誰もがあると思います。その時その時の我慢した金額は少額かもしれません。2,000円程度の買い物して500円のもう一品を我慢みたいな。けど、これを追加で買ってもらうことができると、売り上げは25%の増加になるんです。5人に一人の確率で追加の買い物してくれると5%の売り上げ増です。これって経済指標としてとらえると強烈な伸び率ですよね。

と、妄想してみましたが、今政府がやろうとしている、キャッシュレス決済導入に対する過剰なまでのポイント還元。消費増税をマヒさせるための一時的な施策でしかないように見えますが、意外な効果が出るのかもしれません。

東洋証券に行政処分

この週末金曜日に金融庁は東洋証券に行政処分を行いました。証券取引等監視委員会の処分勧告に対する回答になります。処分の内容は業務停止が含まれていないごく一般的なものでした。

行政処分の概要

当処分内容に関する顧客への説明と適切な対応、外国株式の正確な損益を伝えるための態勢整備、再発防止策の策定と実行、役職員への研修実施、責任の所在の明確化といったことが求められています。この日から1か月間以内に改善報告書を提出することになります。その後半年間に一度の改善進捗状況の報告もセットになっています。

処分内容のレベル感

先ほど一般的と書いたように、セットメニューのような処分内容になっています。東洋証券の実態、それほど酷いものではなかったのかもしれません。うわさで聞いていた話でもそういう感触を得ていましたが、処分勧告までかなり強引に持って行ったような感じがします。

監視委員会の勧告では「会社ぐるみであり、3線の指摘に対して全く聞き入れない経営」といった構図が指摘されていましたが、そうでもなかったのでしょうか。まぁたまにあるんですよね、「経営に報告され一定の対応がとられていたとしても、実態が改善されなかったら何もしなかったと一緒」なんていう強引な検査官の言い分。やっぱり先祖返りしてるようで、検査官の質の問題もありそうです。

この後の展開

処分内容の概要からいくつか取り上げてみましょう。まず、「顧客への説明と適正な対応」というのがあります。適切な対応というのは、伝えた損益が間違っていたこと、および正しく損益を聞かされていたらその売買をしていなかったという顧客に対しては、当該売買をなかったことにしてあげる(原状回復といいます)ことを指しています。

また、「責任の所在明確化」というのは、まぁ言葉通りではあるんですが、社内的に誰の責任を問うかということでして、通常は誰かを社内処分してこれに応えることになります。1か月間の間に金融庁へ改善報告書を提出することになるんですが、この改善報告の中で役員等の降格や減給といった処分内容を報告するとともに、東洋証券自身のプレスリリースでその処分内容を公表することになります。

東洋証券に関する監視委員会の検査結果をここまでトレースしてきました。森長官退任後に金融庁がどう変わっていくのか、検査のやり方やその結果の評価である程度見えてくると思われます。コンプライアンス等の業務にかかわっていない証券マンの皆さんも、当局の考え方や検査の傾向は知っておいた方が良いですよね。良かったらこの後も一緒に見ていきましょう。

契約締結前交付書面(その2)

金融審議会 市場ワーキンググループ資料

資料では「契約締結前交付書面について、顧客に対して重要情報を提供するという趣旨を損なうことなく、顧客利便や環境への配慮等の観点から交付の合理化・効率化を図るとともに、複雑な商品等については顧客本位の説明等が確保されるようにする」

「併せて、本書面や広告等の記載事項や方法を工夫し、より認識・理解しやすいものにするなど、情報技術の進展等に対応した顧客への情報提供のあり方について、市場関係者と連携しながら検討していく」と書かれています。

複雑な商品等については顧客本位の説明等が確保されるようにする

前回途中までしか書けなかったので続きです。複雑な商品については多分あまり大きな合理化・効率化はないでしょう。全く変更なしかもしれません。金融庁が路線変更したとたんに、複雑な投信や仕組債が社会問題になったりしたら大変です。役所が一番敏感なところです。

逆に言うと、合理化・効率化が図られるのは主力商品であり、上場有価証券、国債、円貨建て債券、外貨建て債券、IPOぐらいということになります。投資信託は目論見書も兼ねているため、ここでは対象とならないと思います。

本書面や広告等の記載事項や方法

契約締結前交付書面と広告に共通している部分は「当社の概要」という部分で、自社の称号や所在地、加入協会などを記載している部分になります。この部分については不要なものはあると思いますが、それを削除しても効率化や合理化においてそれほど影響はありません。7~8行でしかありませんので。

情報技術の進展等に対応した顧客への情報提供のあり方

この部分は前回書いたネット上での閲覧やメールでの送信を指していると思われます。しかしながら、ネットやケータイを上手く操れないお年寄りのことを考えると、これらだけで可とすることは難しいかもしれません。こうした顧客への書面の交付は残るものと思われます。

金商法上「交付」ではなく、「提供・公表」が義務付けられている書面として、外国証券情報というのがあります。ここでは説明を省略しますが、この書面については、あらかじめ顧客から同意を得ることでネットで閲覧可能な顧客という整理ができるようになっています(実際にそういうPC環境等を保有しているかどうかに関係ありません)。

同意が得られた顧客は書面交付の対象から外れますので、書面発送顧客の大幅な絞り込みは可能になります。この考え方は取り入れられるのではないかと思っています。実務上は同意してくれない顧客から回答をいただくという方がナッジ的には良いと思いますが。

契約締結前交付書面

以前、金融審議会の資料から、金融庁が現在検討している金商法の改正案のうちの一つとして、契約締結前交付書面を紹介しました。今回はもう少し詳しく書いてみます。

金融審議会 市場ワーキンググループ資料

資料では「契約締結前交付書面について、顧客に対して重要情報を提供するという趣旨を損なうことなく、顧客利便や環境への配慮等の観点から交付の合理化・効率化を図るとともに、複雑な商品等については顧客本位の説明等が確保されるようにする」

「併せて、本書面や広告等の記載事項や方法を工夫し、より認識・理解しやすいものにするなど、情報技術の進展等に対応した顧客への情報提供のあり方について、市場関係者と連携しながら検討していく」と書かれています。

顧客利便や環境への配慮等の観点

この表現の中で笑えるのが「環境への配慮等」というところ。何のことやら意味不明だと思います。おそらくこれは証券会社が全顧客に一斉送付する契約締結前交付書面集のことを指していると思われます。数種類の商品の契約締結前交付書面を冊子にし、その他リーフレット等も一緒に封入して、年に1回送るのが通常で、ほぼすべての総合証券会社が行っています。

冊子は20ページから30ページにもなり、家族で口座開設していたらその家族分が自宅宛てに送られてきます。これを顧客はほとんど読むことなくそのまま廃棄している。つまり、環境に優しくない。ということをやっと理解したということなんですね。使用する紙の量は半端ないです。総合証券会社ですと顧客数は数十万件以上。大手証券だと100万件を超え、用紙の手当て、印刷、郵送の費用を合計すると、数億円を浪費するのです。

合理化・効率化の内容

金融庁はこの1年に1回一斉送付することで交付したとする現行の方式を認めていますので、これを環境に配慮して合理化、効率化するとすれば、以下のような改正ではないかと考えます。

  1. ネット上での閲覧を希望する顧客には、契約締結前交付書面の交付を不要とする
  2. 口座開設時に交付していれば、その後は重要情報の変更があった場合のみ交付すればよい
  3. 書面に記載すべき項目を大幅に見直し、簡略化する。その代わりに顧客が要求する場合は詳細版を別途交付できる体制を作らせる
  4. 顧客にとって重要なリスク等の情報を、証券会社自身が商品ガイドのような形で提供することで可とする。

kuniのおすすめ

kuniのおすすめは4番です。顧客本位の業務運営(自分たちで考えて各社が実行します)をあれだけ求めてきているわけです。投信のラインアップや保有期間など、各社の取り組みが比較できるような枠組みも出来上がりました。契約締結前交付書面に関しても、最低限のリスク項目だけを指定し、その表現やその他の事項をどこまで取り入れて商品ガイドにするかを証券会社に考えさせればいいと思います。そのうえで、各社の取り組みとして比較可能にすればいいでしょう。

商品ガイドはネット上で閲覧を可能とさせ1番や2番と組み合わせるのもありですね。どうでしょうこんなんで。書ききれなかったので続きは(その2)で。

EU 乗用車のCO2削減37.5%

EUは域内で販売する乗用車の二酸化炭素排出量を、2030年までに37.5%削減するとかいうニュースがありました。これに対してドイツの自動車産業は反発といったニュースも同時に流れてました。

新車の1/3を電気自動車(EV)などに

この削減目標をクリアするためには、ガソリン車やハイブリッド車の燃費改善では追い付かず、各メーカーは新車の1/3程度を電気自動車(EV)などに代替する必要があるんだそうです。欧州にはエネルギー資源が乏しいという事情もあり、以前から原発の推進とセットのようにEVを推進している感じです。

自国のエネルギー資源の事情により、各国の目指す方向はバラバラのようです。アメリカなんてシェールオイルで勢い付いて脱炭素どころか炭素まっしぐらですもんね。一方で日本も欧州同様にエネルギー資源に乏しい国。電気自動車で問題を解決していく方向性はいずれ本命になってくるでしょう。

自動車業界は大リストラ

自動車業界は大変らしいです。電気自動車はエンジン車に比べると部品点数が少ないため、現状のような労働人口は必要なくなるんだそうです。つまり、自動車産業における雇用を減らしてしまうことになるわけですね。10年間で1/4の人員を削減することになるとか。

ただ、自動車産業を取り巻く環境が大きく変化していくんですから、これくらいのリストラはしょうがないんじゃないのって思いますけどね。8万人のみずほが19000人削減するのと同じくらいの感じじゃないですか。例えは良くないですが。

電気をどうやって作るか

とまぁ、いろいろと反発とかはあるでしょうが、多くの乗用車がガソリン車から電気自動車に置き換わるとなると、その電力を新たに供給しなければならないわけです。で、その電気を作るために石炭や石油、LNGを燃やしてたんじゃぁ、何のための電気自動車なのか分かりません。二酸化炭素が乗用車で出るか、発電所で出るかの違いでしかないと。

電気自動車を普及させていくためには、まだまだ他にも課題は多いようですが、結局化石燃料を使わない発電に行き着いてしまうのです。再生可能エネルギーですね。先日書いた風力、太陽光、ほかにも波力、潮力、水力、地熱、バイオマス、などと種類はいろいろです。ちなみに、再生可能エネルギーって、「利用する以上の速度で自然界で補充される(再生される)エネルギー」という意味なんですね。

日本のお家芸である自動車産業と、これを進めるうえで必要となってくる再生可能エネルギーでの発電。原子力発電で一度転んでしまったわけですから、電力供給は一度原点に戻って考え直す必要がありそうです。再生可能エネルギーによる発電、これからも追い掛けてみたいと思います。