つい先日も取り上げました天馬株式会社。6/2にまた新しい動きがありました。会社側が6月の定時株主総会に提出する取締役選任議案に、天馬の監査等委員会が「不適切」という意見を出すことを発表しました。上場企業では初めてのケースだと思われます。
ここ最近の流れ
第三者委員会を設置して調査してきたベトナム子会社のl贈賄事件を受け、天馬は東京地検に自主申告。その後、ベトナム財務局がこの事件の事実関係を解明するため、捜査に乗り出すことが5/26に報道されます。
翌日の5/27、天馬は「物言う株主」とされる米国ダルトン・インベストメンツグループ日本法人の幹部を取締役に受け入れることを公表。同法人は現在、天馬株式の12%弱を保有しています。
監査等委員会
前回書いた通り、天馬は元名誉会長の司治氏から現行の取締役会の刷新を求める株主提案を受けています。新たな取締役候補は全員現執行役員という提案ですね。これに対する会社提案の秘策として物言う株主を取り込んだというわけです。
そこへなんと今度は天馬の監査等委員会の登場です。会社側が取締役会で決議した取締役選任議案に「不適切」という意見を出すとのこと。これはなかなか出来ないことです。同社の監査等委員会は3名。3名とも社外取締役で、うち1名が常勤監査等委員のようです。
歴史に残るかもしれないこの取締役会決議に対する「不適切」の表明。会社法第384条に基づくものです。全文掲載します。
監査役は、取締役が株主総会に提出しようとする議案、書類その他法務省令で定めるものを調査しなければならない。この場合において、法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その調査の結果を株主総会に報告しなければならない。