6/30 東証一部上場のサンデンホールディングスは事業再生ADR手続きの申込みを決議し、事業再生実務家協会に対し正式な申請を行い、同日付けで受理されたことを公表しました。対象債権者は、金融機関およびリース会社で合計十数行。主要取引行は、群馬銀行とみずほ銀行のようです。
負債総額
サンデンは群馬県伊勢崎市に本社を置く、独立系のカーエアコン部品の大手です。グローバルに展開し、カーエアコン用のコンプレッサーは世界で高いシェアを占めています。自動販売機なども手掛けているようです。
リーマン・ショック以降、売上高を拡大してきたものの、米中貿易摩擦や環境規制の強化などから中国・インド市場向け販売が低迷。さらに、今年に入り新型コロナウイルス感染拡大で、グループの海外工場が休業に追い込まれるなど、厳しい業況が続いていたようです。帝国データバンクによると、同社の負債総額は20年3月期末で約1648億円とのこと。
事業再生ADR
事業再生ADRは、会社の経営が行き詰まった企業の事業再生を目指すにあたり、会社更生法や民事再生法、破産法などによる裁判所の法的な手続きによる紛争解決の手続きを使わずに、当事者間の話し合いで解決する手続きの事です。
手続きは金融機関などに限って行われるため、通常の私的再生整理と同様、本業を継続して続けながら、解決策を金融機関などと話し合いで見つけ出すことも可能です。サンデンの場合、法的な整理(会社更生法、民事再生法、破産法など)とは異なり上場廃止とはなりません。
それでも突然のニュースに株価は大幅な下げ。6/30の終値343円から、公表後の7/1は263円とストップ安しました。アフターコロナで自動車関連事業がどう評価されていくのかが気になるところですね。第1回債権者会議は7月14日に行われるようです。