日本軽金属ホールディングスは5/17、「当社子会社の日本軽金属株式会社におけるアルミ板製品の JIS 認証の取消しについて」を公表しました。JIS認証違反調査委員会を設置し、徹底した全容解明と原因究明、さらに再発防止策策定を行っていくとしています。
不正取得の概要
「1996年頃から、日本軽金属名古屋工場のアルミ板製品の引張試験の試験片を採取する際、厚さ 6.5 mm以上で非熱処理合金の板製品において JIS の規定(圧延方向に対して平行)と異なる方法(圧延方向に対して直角)で採取した試験片にて引張試験を実施したにも関わらず、当該厚板に JIS マークを付して継続的に出荷していた。」
引張強度を測定する際、圧延方向に対して直角に採取した試験片の方が、より強度が高くなるということのようですね。より強度の高く見える試験片で認証を不正に取得していたということのようです。かなり悪意を感じさせますね。
更新審査(2020年2月)においては、更新審査用の試験片採取を行う際、上記の実態を偽り、JIS の規定に沿った試験片採取を行った。というのもあります。実地での審査においては、正しく試験片を採取しているように見せかけた、ということでしょうか。
認証取消しの内容
JIS の認証機関である一般財団法人日本品質保証機構は、鉱工業品及びその加工技術に係る日本産業規格への適合性の認証に関する省令に定める基準を満足しておらず、その内容が重大であるとして、2021年5月14日付で名古屋工場の JIS 認証取消しを行っています。
JIS認証違反調査委員会を設置して、同社グループの JIS 認証を受けている全拠点において、JIS マーク表示製品に対する総点検を開始しているようです。グループの主要会社は、日本軽金属、東洋アルミニウム、日本フルハーフ、日軽金加工開発ホールディングスの4社。さて、この認証不正取得はどこまで広がりを見せるでしょう。