日本経済新聞は5/12、「日医工が私的整理検討 後発薬不正、経営を直撃 不振企業軸に再編機運」と報じました。翌日には日医工も、「事業再生ADR手続の正式申込及び受理に関するお知らせ」を公表しています。一昨年品質不正が発覚し、昨年には業務停止命令を受けていました。
おさらい
日医工は後発医薬品(ジェネリック)の御三家の一角でしたが、2020年、国が承認していない手順で医薬品を製造していたことが発覚し、21年に業務停止命令を受けました。同業の小林化工や共和薬品でも同じく品質不正が発覚しましたね。
日本ジェネリック製薬協会によると、会員企業38社のうち31社で、国に事前提出した手順とは異なる方法で、医薬品を製造していたそうです。酷過ぎますね、まさにドミノ倒しです。
私的整理を検討
こんな状況ですから後発医薬品のシェアは低下するでしょうし、不正でケチの付いた企業は淘汰されるでしょう。どう考えても業界全体が再編ということになりそうです。そんななか、日医工が今回の公表となったわけです。
産業競争力強化法に基づく特定認証紛争解決手続(事業再生ADR手続)を利用して、関係当事者である取引金融機関の同意のもとで、今後の再成長に向けた強固な収益体質の確立と財務体質の抜本的な改善を目指すということです。事業再生ADR手続についての正式な申請を行い、5/13日付で正式に受理されたようです。
爪水虫薬などに睡眠導入剤の成分が混入し、多数の健康被害が出た小林化工は、業界最大手のサワイグループホールディングスに吸収されました。続いて日医工の私的整理。同業他社においても、まだまだ続きそうな気配ですね。