ちょっと前の話になるんですが、日本経済新聞は4/7、「温泉から『金』? 新たな国産供給元に高まる期待」という記事を掲載しました。温泉水から金(ゴールド)の回収に成功したという記事です。これ、ちょっと驚きの記事でした。
IHI
IHIは、航空エンジンで国内トップシェアを有し、橋梁など海外大型プロジェクトで実績を持つ総合重機大手の一角。火力発電用ボイラなどエネルギー関連、トンネル工事用シールド掘進機などのインフラ関連、航空・宇宙・防衛関連など幅広い分野に事業を展開する企業です。昔の石川島重工業ですね。
玉川温泉
玉川温泉は秋田県仙北市にある温泉で、「一カ所からの湧水量」と「強酸性の温泉水」で日本一を誇る温泉だそうです。源泉温度はなんと98度で、硫黄臭と微量のラジウム放射線が含まれている非常に特徴がある泉質なんだそう。
温泉から金
海洋研究開発機構(JAMSTEC)とIHIの研究グループが、この玉川温泉で温泉水から金の回収に成功したといいます。強酸性でマグマに近い温泉なら高濃度の金が溶け出しているのではないかという仮説をもとに実験を実施したということです。
回収のカギを握るのは、IHIが開発中の「ラン藻(シアノバクテリア)」と呼ばれる藻の一種で、金属を吸着する性質を生かし、藻のシートに金を吸着させて濃縮する仕組みを確立したとのこと。
で、結果はというと、藻の吸着を利用した温泉からの金供給コストは、世界の主要金鉱山の平均コストよりも安いんだそう。温泉からの金回収が軌道に乗るには、藻を大量に培養する仕組みをどう確立するかなどの課題はあるようですが、温泉大国の日本にとって、メチャ夢のある話ですよね。