先の参院選で泡沫候補扱いされていた、山本太郎氏の「れいわ新選組」、立花孝志氏の「NHKから国民を守る党」が大躍進しました。世界中でポピュリズムの台頭が言われてきましたが、やはり日本にもその時代がやってきたと実感させる出来事でした。両党とも法律的に政党要件を満たしたわけですから、もう泡沫なんて言葉使っちゃいけません。
泡沫 ほうまつ うたかた
今日はこの「泡沫」という言葉について。「泡」も「沫」も「あわ」という意味なんだそうです。「ほうまつ」と読み、「あわ」や「あぶく」の意味です。泡沫候補だとか、泡沫会社などという使い方の場合は、「問題にならないようなもの」とか、「取るに足らないもの」という意味になります。
一方で、「泡沫」は「うたかた」と読む場合もあります。この場合は「はかなく消えやすいもの」のたとえとして使われます。「泡沫の恋」とか「泡沫の夢」などといった使われ方、皆さんも見たことあると思います。こちらはとても美しい日本語ですね。
バブル
泡沫を英語にしただけですが、1980年代の日本で土地の価格が高騰し、日経平均株価が4万円近くまで暴騰したのち、急落に転じた場面のことを指して、「バブルが弾けた」とか、「バブル崩壊」という表現がいたるところで見られました。それまでの当時の好景気をバブル景気だとか、バブル経済などと呼びます。
不動産や株価など資産価格が投機により高騰し、実態から大きく乖離してしまう現象をバブルと言います。当時はこれをまじめに学問しようとする向きもあり、「投機的泡沫理論」などと言って話題になったものです。今はググっても当時の論文とかは出てこないみたいなので、世の中に十分認識されるには至らなかったんですかね。
ちょっとしたことで壊れてしまいそうなはかない恋を表してみたり、欲望むき出しで我先に金儲けに走る投機の世界を表してみたり。「うたかた」と「ほうまつ」。同じ日本語でもこんなに違うニュアンスを表してしまうんですね。