9/5 日本経済新聞朝刊のトップは「持ち合い株の解消加速」という記事でした。ここ5年間で約1万銘柄(約12%)減少した。とか、日本株に占める持ち合い株の比率が約1割に低下した。などと伝えています。解消は最終局面に入っているとも。
「持ち合い比率」とは
記事では野村資本市場研究所の論文を引用していましたが、言葉の定義を明示していません。「持ち合い比率」と唐突に書かれても、どういう比率かピンとこない人が多いのではないでしょうか。野村資本市場研究所のHPで論文チェックしてきました。
論文では「持ち合い比率」とは、「上場会社(ただし、上場保険会社を除く)が保有する他の上場会社株式(時価ベース)の、市場全体の時価総額に対する比率(ただし、子会社、関連会社株式を除く)」としっかり定義されていました。
ちょっと意地悪な話ですが、市場全体の時価総額に変化がなく、持ち合いを続ける企業だけが不評で株価を大きく下げた場合(最近ではこういう傾向あるんです)、持ち合い解消は進まなくとも、持ち合い比率は低下することになります。天邪鬼ですが。。。
リクルートの売出しが号砲に
株式持ち合いの解消といえば、最近発表されたリクルート株の売出しが象徴的です。リクナビの件を受け、持ち合いを維持してきた株主がリクルートとの縁を切るため、一斉にリクルートに対して申し出てきたんでしょう。13社で合計1億2000万株、発表時の株価で約4000億円の売出しです。
何だかこれって、きっかけになりそうですね。「株式持ち合い」の様々な新しいリスク面を見せられたって感じです。日経が伝えたように、これから持ち合い解消の売りが膨らんでくるかもしれません。
リクルートは金額がデカいので、売出しという方法を取りましたが、規模がそこまで大きくない場合は、ブロックオファーという形がとられることが多いようです。一旦どこかの証券会社に引き取らせ、その証券会社が個人顧客に販売します。これって、証券会社の収益にけっこう貢献するんですよね。完全に干上がっていた証券界に、干天の慈雨となりますやら。