ニップンは8/16、「2022年3月期第1四半期報告書の提出期限延長に関する承認申請書提出のお知らせ」を公表しました。サイバー攻撃を受け、連結子会社のオーケー食品工業も含めて、システム障害により決算発表を延期していました。
システム障害の状況
この開示によるとサイバー攻撃による被害、かなりヤバそうです。このサイバー攻撃、ランサムウェアによるもののようで、同社グループの情報ネットワークにおいて、大部分のサーバー及び一部の端末に対し、同時多発的に全部または一部を暗号化されてしまったとしています。
被害対象は同社単体の財務管理、販売管理といった主要な基幹システムサーバーや、データが保存されているファイルサーバーを含め広範囲に及び、グループネットワーク内で運用している国内グループ会社の販売管理システム(11社利用)と財務会計システム(26社利用)もその対象だそう。もちろんオーケー食品も含まれています。
サーバーの内部に格納された電子ファイルの大部分に暗号化が施されているため、システムの起動そのものが不可能だといいます。外部専門家によると、これほど広範囲に影響を及ぼす事案は例がなく、復旧、安全性の構築までには相応の時間と労力を要するとのこと。
一度の攻撃でサーバーの大半が同時攻撃を受けたことで、本社を含め全ての事業拠点が同様の事態であったため、同社のBCPで想定していた事態を大きく上回る状況だといいます。
オリンピック期間中心配していたサイバー攻撃は意外に少なかったものの、このニップンの障害はかなりヤバそうです。主要システムの早期の復旧は難しいとしていますし、おそらく昨年10月の鉄建建設以来の障害規模だと思われます。
なお、ランサムウェアによる身代金の要求の有無や、それに対する同社の対応に関する記述はありませんでした。