中国は8/24、日本産の水産物輸入を同日から全面的に停止すると発表しました。東京電力福島第1原子力発電所の処理水の放出開始に反発した形ですね。日本の水産業者や中国で日本産品を扱う小売店などには打撃となるわけですが、それだけでしょうか。
中国の消費者保護や輸入食品の安全確保のために全面禁輸に踏み切りました。今後は日本の状況に注意を払い「関連する規制措置を適宜調整する」としています。
むしろ中国にとって大変なこと
確かに日本にとっては販売先を失うことになるわけで、大きな問題でしょうが、この政策はむしろ中国にとっての悪影響の方が大きいのでは、と思います。人口減少に急速に進む高齢化。不動産不況で経済は停滞、若者には職がなく、食べていくことすら困難な状況というのが中国の現実。
そこへ、近年覚えた日本食に代表される美味しい魚介の輸入禁止です。産地を偽装して引き続き日本近海での漁は継続するんでしょうが、日本からの輸入禁止は確実に供給不足を招きそう。水産物の価格は高騰せざるをえないでしょう。閉塞感漂う中国において、ますます国民の不満を拡大させることになりそうです。
このところ国民が共産党に満足していたのは、彼らの生活が豊かになっていたから。生活が困難になってくると途端に政策への批判が大きくなり、暴動とかが起きやすくなります。先日も書きましたが中国には様々な逆風が吹き荒れています。そこへ水産物の価格高騰です。
今回の輸入禁止措置。「今後は日本の状況に注意を払い規制措置を適宜調整する」ではなく、国民の反発や暴動を注視して適宜調整することになるんでしょうね。