空き家問題

9/4付けの日本経済新聞に、「家余り1000万戸時代へ 活用か解体か 『住宅リストラ』待ったなし」という記事がありました。総務省の調査によると、2018年時点で空き家は849万戸あったんだそう。たしかに、都内でも空き家増えてきましたもんね。

日本の世帯数

少子化についてはよく言われていて、日本の人口は既に減少し始めていますが、世帯数で見ると実は現在まで増え続けていたんですね。人口は減っても、長寿化や生涯未婚率の上昇から一人暮らしが広がったためだそうです。その増加を続けていた世帯数も2023年から減少に転じるということです。そのため、家余りが一気に進むというわけ。

空き家の何が悪い

ここで一旦整理。空き家の何が悪いのか。直接的には老朽化による倒壊、景観の悪化などで周辺住民が被害を被る、なんてことが考えられますよね。二次的には放火等の対象にされたり、犯罪者等が紛れ込むなどの周辺地域の治安の悪化なども考えられます。

空き家の定義は?

日経の記事では明らかにされていませんでしたが、総務省が調査している「空き家」には、賃貸物件の入居者募集中の賃貸住宅や、通常は住んでいない別荘なんかも含まれている(半分近く)というのを聞いたことがあります。これらには先ほど書いた問題は無関係ですね。

メディアも空き家問題を煽るなら、何ら管理されていなくて危険な空き家と、一時的に人が住んでいない空き家をちゃんと区別して書くべきですね。数字を示して具体的に書いているように見えて、実は定義があいまいなため、なんだか騙されてる感の強い記事。新聞あるあるです。

海水魚の陸上養殖

8/26付けの日本経済新聞に、「海水魚養殖 市街地で 東京海洋大、小型の浄化システム」という記事がありました。従来に比べて小型かつメンテナンスが容易なのが特徴で、場所を選ばず市街地のビルでも養殖が可能になるんだそうです。

市街地のビル

陸上養殖のネックになってきたのが、水槽の海水のメンテナンス(水替えなど)なんだそうです。これを解決したのが新たな水循環システムで、海水を外に排出しない、閉鎖循環式の装置。装置を支えるのが、東京海洋大学が特許を取得した「好気的脱窒」という技術だそう。

従来の技術(嫌気的脱窒)に比べ、装置は1/3ほどのサイズで済み、メンテナンスも簡単で専門的な技術も不要とのこと。難しい技術的な話はともかく、海の近くでなくても、プロの料理人が高評価する魚の養殖が可能となっています。

気候変動の影響等で海流や海水温の変化が発生し、これまで獲れていた魚が獲れなくなってきた、なんて時代ですし、海上での養殖は自然災害の影響も受けちゃいます。この陸上養殖の新技術、大いに活用して産業化してほしいものです。

地方でこそ

記事では街の真ん中の雑居ビルでも養殖出来ることに着目していましたが、地方にはほったらかしの地面がたっぷりありますよ。空き家問題どころではありません。廃屋問題です。人間よりも野良猫の方が多いんじゃない?kuniが今いるところはそんなところです。

いくらでもスペースありますので、陸上養殖にはもってこい。町興しの一環で誘致してみればどうかなと思います。まだ研究途上の魚種がほとんどだそうですが、これも時間の問題でしょう。陸上養殖、、、かなり期待しています。

手強いぞ 認知症(その6)

毎日のように認知症的な症状に接し、うんざりしております。一度しか経験していないのにびっくりするほど刷り込まれている記憶がある一方で、何度言ってもまったく記憶されないことがたくさん。この差は一体何なんでしょうね。こんなふうにすればしっかり記憶してくれる、、、みたいな伝え方のコツみたいなものってあるんだろうか。

液体洗剤と粉末洗剤

昨日面白いことがありました。認知症の母いわく、「液体洗剤に比べると粉末の洗剤は洗濯物が固くなってしまうのでダメだ」、ということらしい。よほど気に入らなかったようで、これを何度も聞かされています。先月辺りまでは液体洗剤を使ってたらしいです。

kuniとしては、洗濯物の仕上がりが固くなってしまうのが、「液体と粉末」の違いに由来しているものなのかを知りたくて、具体的な商品名を訊ねます。すると、「商品名は分からない」ということらしい。

たまたま今月から使い始めた粉末の洗剤の性能が悪かっただけで、粉末か液体かの違いではないんじゃないか?と言ってみたんですが、受け付けません。粉末洗剤はダメで、液体洗剤が優れているという彼女の頭の中は変えられないようです。

あくまで商品Aと商品Bの性能比較でしかないんですが、彼女の頭の中では商品Aの水に溶かす前の形態(粉末)と商品Bの形態(液体)の比較に置き換わってるんですね。自分の経験したことの一側面を捉えて、妙な思い込みをもち、自分の中ではそれが正しいこととして認識してしまっている。こういうの多いんですよ。

認知症の人のこの間違った思い込みって、正すのが大変です。昨日は洗剤をめぐるやりとりでしたが、他にもこういう思い込みをたくさん聞かされているような気がします。「いや、それってそういうことじゃなくてね、、、」この手の話題はほぼ聞き入れてくれません。やれやれ。

タイパ? タイムパフォーマンス コスパ

8/23付けの日本経済新聞に、「倍速消費という名の欲望」という記事がありました。その中で突然出てきた「タイパ」という言葉。タイムパフォーマンスの略語らしいです。コストパフォーマンスをコスパとかいうのと一緒ですかね。ネットで見るとやはり出てきますね。kuniが付いていけてないだけかぁ。

タイパ

コスパ(コストパフォーマンス)は、モノやサービスに対する購入等の判断を費用対効果で行うことですよね。ということで、タイパ(タイムパフォーマンス)は、時間対効果ということのようです。

楽しみにしていた2時間の映画を観終わった後、つまらない映画に2時間も費やしてしまったという想い。2時間を返してほしいという感覚なんだそうです。こういうのを「タイパが悪い」なんていうみたいね。

倍速視聴

記事では最近の若い人がタイパ志向が強いことを紹介していたんですね。映画やドラマを倍速視聴する人たちも多いんだとか。長い時間を費やして内容が面白くなかったときの無駄を回避するわけですね。ん~、その気持ち分からんでもないが・・・。けど時代の趨勢ということでもあり、、、。

ネット配信の映画や動画が当たり前になってきたからこその社会現象ですね。コスパは既にみんなの常識になりましたし、タイパもいずれ当たり前になっていくのか。当たり前になってきたからこそ、ネットフリックスやディズニーがブイブイ言わせてるのか。ゆったり流れる時間の中で楽しむからこその幸福感、みたいなものもあると思うけどなぁ。

さてさて、この「タイパ」の感覚が人々に定着していくとして、その過程で流行るビジネスって他にも出てくるんでしょうかね。そこは少々興味あります。

手強いぞ 認知症(その5)

ボケ老人と二人きりでの生活、早くも3週間が経過しました。すぐ忘れる、同じ話を何度も言う、スーパーで妙な物を買い物する。相変わらずです。ウォーキングや料理をさせてることの効果は少しずつ出てきてはいるようですが、、、。

認知症との接し方

認知症の本質は「不安」なんだそう。「何でこんな簡単なことができないの?」とか、「さっきも言ったでしょ。何度言わせるの?」、「何でこんなもの買っちゃったの?」などという怒った口調で親を責め立てるのは絶対ダメなんだそうです。叱る行為は最悪の対応だと。

これって頭では理解するんだけどねぇ。いざそういう場面になると、ついつい言っちゃうのよね。kuniなんか全部当てはまってしまってます。認知症と付き合ってらっしゃる皆さんはこんなことないですか。

kuniが読んだ本には次のようなことが書かれていました。「異変等に気付いても咎めるのではなく、来るべきものが来た、と考えましょう。」さらに、「これから自分の人生、何割かはこの大切な人のために使うことになった、と覚悟を決めてください」と。

はぁ~、ため息しか出ません。kuniにこんな神のような対応できるんだろ様うか。認知症の母親だけでなく、自分の家族の面倒も見なきゃいけませんしね。いやいや、マジでため息しか出ませんわ。

などと書いてる横では、母親が脳トレの一環でクロスワードパズルと格闘中。で、分からないワードを聞いてきてます。「そんなことも分からないの?」って、また言っちゃいそう。