ベンチャー企業とスタートアップ企業

先日の投稿でベンチャーとスタートアップの違いについてお茶を濁してしまいましたので、今日はそこらへんを書いてみたいと思います。

ベンチャーとスタートアップの違い

creww(日本最大級のオープンイノベーションのプラットフォーム)というサイトでサクッと説明されていました。最も大きな違いは、その企業が設定しているゴールだそうです。ベンチャー企業は中長期的に課題に取り組み、世の中の課題を解決しようとする。一方スタートアップ企業は主に短期間でのEXIT(エグジット)を目的にしているとのこと。

この他にも、「既存のビジネスモデルがベースになっているか」とか「イノベーション」がそこにあるかどうか、といった切り口で違いを説明しています。kuniが注目しているのは「短期間でのEXITを前提としている」という特色の部分です。

kuniのイメージするスタートアップは、「イノベーションとなるアイデアとそれを実現するためのテクノロジーを開発し、既存の企業に売り込んでさっさとEXITしてしまう」。そんな感じで捉えています。そうすることで、彼らはすぐにまた別のイノベーションに移っていきます。要は事業化するために必要な一連の手続きや、企業として存続させていくうえで求められる様々な要求を、快く思わない人たちのように見えるんですね。

ガバナンスの観点から考察すると

ガバナンスの観点からみるとその光景がより一層鮮明になってきます。今の上場企業を見ていると、コンプライアンスや株主対応を中心とするガバナンスに相応の労力を割かれ、本業がお留守になってしまっているような。攻めのガバナンスが欠如した、サラリーマン経営者ばかりになってしまっているように思います。

強いリーダーシップでどんどん攻めていく若い経営者は、コンプライアンスや守りのガバナンスが苦手。そういう人たちはさっさと事業を売り渡し、コンプラもガバナンスもバランスよくこなせる老いた大企業が譲り受ける。こんな構図になりつつあるんじゃないかと感じています。しまいに上場企業は、成長力に乏しい、存続だけを目的としたような企業ばかりになってしまいそうです。

株式公開を出口戦略と考えるベンチャーが流行ったと思ったら、さっさと事業を売り渡してしまうスタートアップが現れてきました。出口までがどんどん短期化しています。成長力のあるこれらの企業こそ、株式を公開し、コンプライアンスもガバナンスも正しく理解し、適切に実装してさらに成長していってほしいものです。