キリンの首はなぜ長いか

ある経済誌の今月号か、今週号か、忘れてしまったのですが、このタイトルのようなコラムを読みました。生物の進化について書いたコラムです。

その昔、キリンの首が長いのは、少しでも高いところの葉っぱを食べれるように、生き残っていくために進化したんだ。という話を聞いたことがあるような。どこで誰に聞いたのか、何かで読んだのか思い出せませんが、そんな認識でした。このコラムの中でもその説は紹介されていたのですが、また別の説についても触れていました。

人間は引き残るための道具という発想をしてしまいがち

人間は進化の過程で道具を作り、その道具を進化させてきたため、生物の進化を考える時も、ついつい道具という目線で考えてしまうとか。多くの動物が種を残すために雌を奪い合うのですが、その際の武器が牙であり、角であったりしますと。キリンも一緒で、雄同士が戦う際の武器として首が長くなった。

そんな内容だったように記憶しています。確かに、言われてみるとその通りで、種の保存のための武器、という見方の方がとても自然な感じがします。ちなみに、実際にキリンの雄同士は長い首を打ち付けて、雌のために戦うんだそうです。

どちらの説が正しいのか分かりませんが、ついつい陥りやすい視点からの風景を一旦リセットして、違う視点から物事を見つめ直すって、必要だなぁ。と感じた次第です。

他人のマナーが気になる

最近、通勤途中で他人のマナーが気になってしょうがないんです。通勤途中というのは特に意味はなく、自宅と会社に居る時以外は、ほぼ通勤時間というだけです。

電車の中で背中に担いだ荷物が邪魔な奴、狭い通路を二人、三人で横に並んで歩いてる奴、など、書き続けるとキリがないです。「最近の若い奴らは・・・」なんてフレーズよく聞くんだけど、kuni的には、マナーの悪い人ってあまり年齢は関係ないような気がします。若い人も年寄りも、男性も女性も。どれも似たようなもんです。

他人のマナーが気になるのは歳を取った証拠?

以前、先輩に言われたことがあるんです。「自分自身が歳を取るほど、他人のマナーがどんどん気になるようになってくる」。これって確かにその通りだなと思いました。しかし、ネットなんかで調べてみても、自分の年齢との関係性について書いた記事は見当たりません。

評価される側から評価する側へ

サラリーマンの場合、30代半ばまでは管理者から評価される側ですが、40代、50代になってくると、部下を評価する側、つまり管理者になっていきます。kuniの場合も一時は300人近い部下を評価する立場に居たことがあります。

そういう経験がゆえに、他人のマナーに対して厳しい評価をするようになっていくんだろうか。などと自己分析するわけですが、ちゃんと行動心理学みたいな観点から教えてほしいんですよね。

他人は他人、気にしなければ良い。ってことかもしれませんが、気になるんですよ。誰か「自分の年齢との関係性」研究してくれませんか。

クロネコヤマト 過大請求(2)

ヤマト、引っ越し「お荷物」視で綻び

9/4付け日本経済新聞2面でヤマトの記事。記事の中ではこの事件を発生させた内部要因について書いています。といっても、元幹部の証言として書いているだけで、日経が検証してるって感じではないですけどね。ただ、元幹部たちの証言は不祥事発生企業のモデルといっても良いほど、真因を指摘してると思います。

① 収益性の低い引っ越しを経営陣が軽んじ、現場任せに

まず一つ目に、経営が現場を信頼しすぎたり、自主性に任せすぎたりすることで起きる「現場任せ」。ヤマトの場合はこの事業部門の収益性が低いことから始まっているとしています。現場をしっかり見ていないくせに、収益インセンティブだけは与えているという、現場が悪さをするには最高の環境なわけです。また、こうしたケースでは、経営層が現場を知らないがゆえに、現場の実態を踏まえたルールの整備、周知が出来ません。

② 経営層と現場の従業員との間に壁

二つ目が、経営と現場の乖離です。やはりある幹部は「事なかれ主義の経営層とやらされ感で動く従業員との間に壁があり、問題解決は難しい」と証言しています。

ここからは記事になっていませんが、経営と現場の乖離においては、ほとんどの場合、中間管理層が現場の実態を把握出来ていない、もしくは実態をレポーティングライン上の経営層へ伝えることが出来ていないことが確認出来ます。

③ 内部告発を活かせなかったヤマトHDのガバナンス

そしてトドメに、ヘルプライン(コンプライアンスホットラインなど)からもたらされる情報に適切に対応しないという、究極のガバナンス欠如。「8年前に内部告発を直接受けながら適切に対応できなかった」ようです。

内部告発はいわゆる発見統制の一部ですが、本来はこうしたヘルプラインでの情報提供ではなく、現場管理層が問題を発見し、正規のレポートラインで経営層に報告。報告を受けた経営層が課題解決に向け、経営資源を投入するなどの判断をするわけです。正規のレポートラインが目詰まりすることは想定の範囲内です。そのための安全装置がヘルプラインなのです。

④ 故小倉会長の予兆管理

おまけで書かれている故小倉会長の経営手腕ですが、目の前で起きていること、仔細な変化から予兆を捕らえ、将来大きな事故を発生させないための予兆管理は、最近のガバナンスにおけるポイントとも言えます。記事では故小倉会長のカリスマなどと言ってますが、現在の企業経営層には当然求められる機能ですよ。

オープンAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)

本日の日経新聞にも出てましたが、最近ちょくちょくこの「API」という言葉を目にします。ある程度どんなものか知ってた方がいいと思いますので、私kuniが説明できる範囲で書いてみようと思います。

オープンAPIとは何か

みなさんの身近なところでは、あるお店や会社のホームページで、その所在を示すページをクリックすると、グーグルマップが埋め込まれている仕掛けって、見たことありますよね。Aという会社だとすると、開いているサイトはA社のサイトなのに、全く関係ないグーグルのアプリケーションであるグーグルマップが使えるようになっている訳です。これがAPIの基本的な仕掛けです。言葉で表現すると、「グーグルが外部企業に、APIを通じて、自社サービスの機能を提供しています」となります。

今年改正された銀行法はAPI提供を銀行の努力義務に

改正銀行法は銀行や信用金庫に対して、オープンAPI提供の努力義務を課しました。銀行システムに接続する企業は登録制になるものの、これまでアクセスすることが難しかった銀行がAPIを通じて外部と容易につながることになります。

どのようなサービスが提供されるのか

これに関してはまだ勉強不足です。というかそのようなアイデアがkuniにはありませんので。銀行が本来持っている機能、たとえば決済機能に、外部から接続しようとする企業が、どのような機能を組み合わせていくのかがキモということです。

ネットで商品を販売するポータルであれば、商品選択後、その同じポータル上から銀行を選択、自分の銀行口座で決済するイメージ、これが基本です。先ほどのグーグルの例で言うと、「銀行が外部企業に、APIを通じて、自社サービスの機能を提供する」わけです。

ここにどのような機能を新たに付加することが出来るか。銀行が盛んにスタートアップ企業と連携していますが、彼らによって持ち込まれるアイデア次第で、これまでになかった新しいビジネスが創造されそうだ、ということですね。

なぜ、スタートアップ企業なのか。斬新なアイデアは既存のサービスと競合したり摩擦を起こします(リープフロッグ現象の記事でも書きましたね)。だから、銀行が考えるべきではなく、しがらみのないスタートアップ企業が必要なんです。

「オープンAPI」、、、何となくイメージ湧きましたでしょうか?

大正製薬HD、早期退職948人

全従業員の15%、市場縮小に備え

「大正製薬ホールディングス(HD)は31日、7月から募集していた早期退職制度の募集結果を発表した。応募人数は948人で、全従業員(約6300人)の15%にあたる。」

この週末はいろいろ不祥事やらニュースが多くて、遅くなってしまいましたが、こんな記事もありました。

私、kuni自身も30年の会社人生において、早期退職募集という場面を3回経験してきましたが、どのケースも会社も、業界もかなりヤバい状況下でした。退職しても再就職先が見つからない人も多く、まさに辞めるも地獄、残るも地獄って感じです。

18年3月期の連結純利益は前期比10%増の316億円と好調

ところが大正製薬さんはどうでしょう。前期までの決算は好調でありながら、「今後は少子高齢化など市場環境が縮小する可能性があることから、業績が好調なうちに組織をスリム化する」という戦略だそうです。財務内容が非常によい大正製薬ですら?ってのが正直な感想です。

製薬業界について調べてみた

この業界、2018年はまさにリストラの年と言っていいほど、多くの会社がリストラを敢行してるみたいです。大正以外にも武田、塩野義などが公表済み。第一三共も計画しているとか。確かにこの業界、武田のシャイアー7兆円買収の話ぐらいしかチェックできてませんでした。

原因はどうやら、主軸商品の特許切れ(それに替わる新薬が出せていない)と、薬価改定制度の改革のようです。二つともかなり難しいので説明は省略します。で、今後の業績悪化に備えての人員削減、という感じみたいですね。業界をあげてリストラしてるんですね、勉強不足、知りませんでした。

金融界はこれまで基本的に、にっちもさっちも行かなくなってからリストラ。ところが製薬業界のこのリストラってどうでしょう。地味なんだけど、これ凄いことだと思います。