財務省再生プロジェクト

森友学園がらみで発生した決裁文書の改ざん問題などを受け(セクハラとかもありましたね)、再発防止に向けて作られたのがこの「財務省再生プロジェクト」だそうです。「上意下達の風土が不祥事に繋がったとの反省を踏まえ、法令遵守を徹底する組織に立て直す」んだそうです。

行政も民間も同じ

行政機関も一緒ですね。赤字部分だけサクっと読むと、スルガ銀行の改善策みたいじゃないですか。スルガ銀行と違って第三者委員会等による徹底した調査と開示が行われたわけではないので、その実体は分かりませんが、おそらく省内にはパワハラや労務管理の不備なんか山のようにあるんでしょうね。今年7月末からボストンコンサルティンググループの女性を登用して、民間の知恵を組織改革に生かそうとしてたわけですが、この際、スルガ銀行並みに実態把握して開示するべきです。

360度評価の導入に、内部通報制度の実効性確保。報道を見る限りでは目玉はこの二つのようです。今頃ですか?っていうのが実感ですよね。ある程度の規模の企業であれば、既にこれくらいの体制は確立できていますよ。そもそも行政が所管する企業に対して、この程度のガバナンスは求めてきたはずです。それでも自分たちは違うんだと思ってたんでしょうね。

今さら、この程度の実態把握なしの改善策では・・・

法令遵守を徹底する。こんな掛け声でコンプライアンスを推進していたのって、kuniの経験では15年前のことです。少なくとも10年前辺りからは、法令遵守なんて当たりまえ、コンプライアンスは企業倫理や職業倫理に踏み込んでいました。法令守るだけじゃなくて、法令や規則に定められていなくても、倫理に悖る行為はダメだろう。そんなレベルです。

ここ数年は、といっても金融機関の場合ですが、「顧客本位の業務運営」が求められてきたわけです。こんなのどこの法令にも規則にも書かれてません。企業がそれぞれ考え、顧客に選ばれるために、法令を超えた領域で努力しているわけです。

内部通報制度にしても同様です。制度を設け、その存在をしっかり周知し、通報者の保護が図られることをどうやって末端の職員にまで浸透させていくか。先行している民間の企業もまだまだ苦しんでいます。

現状をしっかり把握して、まずは膿を出しきるべきでした。これまでパワハラしてきた上司たちがそのまま残った中で、表面だけ取り繕ってお終い、では何も変わりません。その組織の風土であったり、カルチャーの領域まで変えていかない限り、また違った形で事件が発生するだけです。

と、ここまでは報道された内容に基づいて(かなり限られた情報を基に)書いてます。この再生プロジェクト、調査結果も含めて是非開示してほしいですよね。