アルコニックス株式会社(3036) 特別調査委員会 調査報告書を公表

アルコニックスは2/5、同社の連結子会社における不適切な会計処理に関して設置していた特別調査委員会から、調査報告書を受領し公表しました。名古屋営業所の所長が一人で行ってきた会計不正だったようです。ただし、一連の不正による所長の個人的な利得はまったくなかったようです。

アルコニックス三伸 名古屋営業所

不正の舞台になったのは連結子会社のアルコニックス三伸 名古屋営業所です。不正を行ったのは2017年に所長となった人ですが、従業員は他に3名のみ。所長になる以前から実質的に所長同様の役割だったといいます。つまり誰も彼を牽制できない状況。

加えて、本社からの管理もほとんど実効性のあるものではなく、まぁ言ってみればやりたい放題の環境だったんですね。この所長、入社当時は同営業所の所長を父親がやっていたとか。所長の息子だからみたいな扱いもあったかもしれません。

不正の概要

取引先との銅管取引(販売)における売上原価の過少計上と、それに伴う棚卸資産の架空計上というもの。銅が高騰し、取引先に販売価格の値上げを打診するも、難色を示されたため今回の不正を始めたようです。

そしてこの不正を続けることで、帳簿上の在庫が積み上がり、棚卸で事態が発覚することを恐れて次の不正を始めます。棚卸のこの超過した在庫分をまた別の取引先に販売したことにして、後にこれを買い戻すという架空往復取引を続けるようになったんですね。

2013年4月以降

証跡としては2011年当時の架空往復取引が確認されているようですが、アルコニックス三信の販売管理システムのデータが2013年4月以降しか残っていないため、調査報告書ではそれ以前の不正については推計できないとしています。ここは妙にアッサリ。

前回も書きましたが、2010年の東証一部上場に対して、この会計不正がどういう影響を与えていたのか、、、については一切分からないままですね。これで東証は納得するんでしょうか。

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