神東塗料 試験データ改ざん 認証不正の疑いが発覚

神東塗料株式会社は1/12、「当社製の一部製品に係る不適切行為について」を公表しました。鋳鉄製の水道管に使われる合成樹脂塗料で試験データを改ざんし、不正に認証を取得して製造出荷していた疑いが発覚したということです。

神東塗料株式会社

神東塗料は、水性・無溶剤・粉体など環境対応型塗料に強みを持ち、自動車、家電、建材など幅広い分野に製品を展開する企業。金属を浸して通電させることで塗膜を形成させる電着塗料で高い技術を持っています。住友化学の持分法適用関連会社で、創業80年を超える東証1部上場企業です。

不正の概要

対象となる製品は、水道用ダクタイル鋳鉄管合成樹脂塗料なるもの。公益社団法人日本水道協会の認証規格に沿わない方法で検査し、認証を取得。同規格認証品として販売・出荷していた疑いが確認されたとのこと。また、同規格に記載されていない原料が使用されている疑いもあるようです。

これを受けて、同社は、不正の疑いが確認された対象製品についての出荷を停止。また、水道協会において、これら不正認証品について、認証マーク等の使用停止を検討中とのこと。この事案、同社の開示では明らかにされていませんでしたが、昨年11月に内部通報があり、発覚したようです。

外側だけじゃない

問題となったこの塗料、地中に埋設する水道用鋳鉄管の外側に塗って腐食、さびを防ぐものです。が、しかし、水道管の接合部分では、塗料と水が触れる構造なんだそう。妙な成分が入っていたりすると、水道利用者の身体に入ってしまうかも。

この件を受けて、自治体が実施している老朽化した水道管の更新工事が停止されたといいます。昨年和歌山で大規模な断水がありましたよね。老朽化した水道管問題。更新工事は待ったなしというところに、困った事案が発生したものです。