ダイワボウホールディングス 架空循環取引 調査報告書を公表

ダイワボウホールディングスは11/27、子会社のダイワボウノイ社で発覚した架空循環取引に関して、特別調査委員会による調査結果を公表しました。2014年度~2020年度までの7年間で、架空の売上は6,447百万円に及んでいます。たった一人の犯行です。

架空循環取引の概要

報告書でA氏とされている犯人は、ダイワボウノイ社の営業部門の副部長だそうです。2018年には別の子会社に転籍しており、ここではなんと役員。そして、2020年9月4日、A氏は社長に対し、ノイの副部長であった当時から、架空の循環取引を行っていた旨を告白しました。

転籍して以降も担当業務を後任者へ引き継がず、A氏は、循環取引関与会社に対する連絡はそのまま自身にて継続して行っていました。ノイ社内での手続については、「なりすましメール」を使用して、ノイ社の後任者に取引の実在性を誤信させ、社内手続が滞ることのないよう仕向けていたといいます。

架空循環取引は、ノイ社含む3社から5社の商流で行われていました。最終的には64億円の架空売上となっていますが、報告書によるとA氏がこの循環取引において個人的な利益を得ていたとは認められないということです。

動機や背景

動機や機会、正当化など、ここでは詳細に取り上げることはできませんが、同報告書20ページに書かれているA氏本人の告白部分を以下に、、、。

「社内では長期在庫の解消や売上の数字は求められる一方で、取引先からのクレームやトラブル等が発生しても、自己解決を求められ、およそ上司に相談できるような環境にはなかった。」

「自分の業務内容を理解している者はおらず、誰かに相談をしたところで無駄だ、自分一人で解決するしか方法はないという思いで日々の業務を行っていた。各々が、さながら「個人商店」として業務を行わざるを得ず、年々、孤独感を深めていった・・・」

読者の皆さんの会社ではこういった状況、、ありませんか?