ダイワボウホールディングス 架空循環取引 調査報告書を公表

ダイワボウホールディングスは11/27、子会社のダイワボウノイ社で発覚した架空循環取引に関して、特別調査委員会による調査結果を公表しました。2014年度~2020年度までの7年間で、架空の売上は6,447百万円に及んでいます。たった一人の犯行です。

架空循環取引の概要

報告書でA氏とされている犯人は、ダイワボウノイ社の営業部門の副部長だそうです。2018年には別の子会社に転籍しており、ここではなんと役員。そして、2020年9月4日、A氏は社長に対し、ノイの副部長であった当時から、架空の循環取引を行っていた旨を告白しました。

転籍して以降も担当業務を後任者へ引き継がず、A氏は、循環取引関与会社に対する連絡はそのまま自身にて継続して行っていました。ノイ社内での手続については、「なりすましメール」を使用して、ノイ社の後任者に取引の実在性を誤信させ、社内手続が滞ることのないよう仕向けていたといいます。

架空循環取引は、ノイ社含む3社から5社の商流で行われていました。最終的には64億円の架空売上となっていますが、報告書によるとA氏がこの循環取引において個人的な利益を得ていたとは認められないということです。

動機や背景

動機や機会、正当化など、ここでは詳細に取り上げることはできませんが、同報告書20ページに書かれているA氏本人の告白部分を以下に、、、。

「社内では長期在庫の解消や売上の数字は求められる一方で、取引先からのクレームやトラブル等が発生しても、自己解決を求められ、およそ上司に相談できるような環境にはなかった。」

「自分の業務内容を理解している者はおらず、誰かに相談をしたところで無駄だ、自分一人で解決するしか方法はないという思いで日々の業務を行っていた。各々が、さながら「個人商店」として業務を行わざるを得ず、年々、孤独感を深めていった・・・」

読者の皆さんの会社ではこういった状況、、ありませんか?

福岡でも鳥インフルエンザ 豚コレラ(CSF)に続き

新型コロナの感染拡大、第3波の話題であまり表に出てきませんが、今月に入って鳥インフルエンザの陽性確認のニュースが続いています。11/26には兵庫県淡路市の養鶏場でも。ここ2週間ほどの間でも、香川県三豊市、鹿児島県出水市(養鶏場ではなく野鳥から)、福岡県宗像市に続いたかっこうです。

鳥インフルエンザ

鳥インフルエンザは鳥に対して感染性を示すA型インフルエンザウィルスの人への感染症だそうです。人におけるほとんどの感染者は、感染した家きんやその排泄物、死体などに濃厚な接触があるとのこと。ただし、日本では今のところ発症した人は確認されていません。

感染症法では、「A(H5N1)」と「A(H7N9)」の鳥インフルエンザが、2類感染症に位置付けられているようです。新型コロナウィルスも2類(相当)と言われますから、かなりの高病原性です。鹿児島と香川の事例ではこのタイプが見付かっているようです。福岡、兵庫はまだこれから遺伝子検査が行われるみたいです。

豚コレラ(CSF)

昨年、CSFに関する記事を書きましたが、その後も感染拡大が続き、今年9/3、日本は、感染が確認されていない国を示す「清浄国」の国際認定を、2007年以来13年ぶりに失いました。

2018年9月に岐阜市で最初に発生してから、2年間の猶予期間中に封じ込めることができませんでした。CSF、新型コロナ、鳥インフル、、、。ウイルスとの付き合いも常態化しそうですね。念のため、、CSFは人に感染することはありませんし、有効なワクチンもあります。

CSFも鳥インフルエンザも、一ヶ所の養豚場や養鶏場で感染が確認されると、数万羽、数万頭単位で、感染の有無にかかわらず殺処分されます。新型コロナで大変なことになっていますが、鶏や豚でなく、人間で良かったわけです。

ハイアス・アンド・カンパニー 監理銘柄(審査中) 指定解除

11/26、東京証券取引所はハイアス・アンド・カンパニーに対して、監理銘柄(審査中)の指定を解除しました。併せて、特設注意市場銘柄の指定、上場市場の変更(東証一部からマザーズへの変更)及び上場契約違約金の徴求を行うことを公表しました。

甘くない?

監理銘柄(確認中)が外れ、監理銘柄(審査中)も外れました。特に後者は上場廃止を決定する可能性も少なからずありましたので、まさに難を逃れたという感じ。まぁ、ここまでの経緯を総合的に判断して、、、という結論らしいんですが。アマアマですね。

上場申請、上場市場の変更申請において、虚偽の財務諸表を記載していたことなどを問題視している割に、不適切会計による過年度決算の訂正規模が通期で最大でも17百万円の減額にとどまり、新規上場及び市場変更に係る数値基準の未達もなかったためとしています。

公表を受けてストップ高

東証のこれらの措置を受け、11/27の同社株価はストップ高。特設注意市場銘柄に指定されたので、これから1年間で内部管理体制を改善し、内部管理体制確認書を提出して指定を解除される、、、という流れを、マーケットは既に先取りしたようです。

東証は「今年12月中に代表取締役をはじめ不適切会計に関与した取締役、監査役の全員が辞任する見込み」ということも改善に期待する理由としていました。しかし、不正を行った当時の代表取締役社長、二人の常務が保有する同社株は25%以上を占めています。

実質的な院政が継続、、、なんてことのないよう、この状況は解消する必要があるでしょうね。たしか、再発防止策の中では、このことは触れられてなかったと思います。

大戸屋ホールディングス 株主優待制度を変更(拡充)

大戸屋HDは11/25、株主優待制度を変更すると公表しました。500株以上保有する株主には6,500~7,500円相当の食事券を贈っていましたが、2万円相当の食事券に変更。株式の保有期間(3年以上)で優待内容に差を付けることもやめるようです。

このタイミングで優待拡充とは

コロナの影響もあり、業績を悪化させている企業を中心に、株主優待制度を廃止したり、長期株式保有により優遇内容を差別化する動きが主流ですが、なんと真逆の判断をしてきました。保有期間による差を設けない。優待内容を2倍以上に。という変更です。

100~400株:4,000円相当の食事券または、精米3kg
500株以上 :20,000円相当の食事券または、精米15kg

さらに、大戸屋HDの株主優待の発行回数は、これまでどおり、毎年3月末及び9月末を基準日とする年2回ですので、年間通算での株主優待発行額は上記の2倍になります。500株保有していれば、年間4万円相当の食事券がもらえるということです。

利回り凄いんだけど

この開示を受け、翌日の株価は一時ストップ高して2,171円へと大幅高。この株価で計算しても利回りは3.7%ほどになります(500株保有の場合)。これに配当金を加えたら、、、といきたいところですが、少なくとも今期は無配でしょうね。

11/10に公表した上半期決算。売上高は前年同期を大幅に下回り、純損失が4,654百万円となっています。この上期の損失で一気に1,495百万円の債務超過へ。この状況で優待拡充ですからね。株式市場では完全に悪役となってしまったコロワイドの汚名返上策でしょうか。

債務超過については今期中に解消の見込みとしています。臨時株主総会基準日設定のお知らせで、種類株式の発行を可能とする定款変更議案というのが出てきます。コロワイドが議決権を争ってきただけに、議決権のない優先株の発行で解消するんでしょうね。

東建コーポレーション 不正アクセスによる情報流出 三菱電機も

東建コーポレーションは11/17、同社とグループ会社のネットワークが第三者による不正アクセスを受け、グループが保有する個人情報が外部に流出した可能性があることを公表しました。流出の可能性を確認したのは10/20としていますから、1ヶ月もかかっています。

最大657,096件

東建グループ全体で保有している個人情報(法人情報含む)を保管していたサーバーが狙われたということで、最大で65万件の情報が外部流出した可能性があるとのこと。東建コーポレーションはじめ、子会社のナスラック、柔道チャンネル、ホテル、ゴルフ場、ホームメイトなどなど。

サイトやらメルマガなどで登録された個人情報がダダ洩れです。同社ホームページでは各種サービス名と当該サービスにおいて、顧客のどのような個人情報が流出したのかが分かるようになっています。

が、しかし、このホームページに行かなければ、当然ですが何も分かりません。TDnetへの開示もしていません。おまけにこのニュースを伝えた日本経済新聞の11/18付け朝刊は、子会社のナスラックのサイト利用者の情報が流出という誤報に近い状況でした。

不正アクセスを受け、情報流出の可能性が判明したら、出来るだけ早く顧客にそれを伝えるべきです。自社のホームページでお知らせを掲載、、、だけではどうかと思います。

三菱電機も

三菱電機でも、同社が利用するクラウドサーバーがサイバー攻撃を受け、同社と取引のある国内企業や個人事業主の金融口座情報が流出した可能性があることを公表しています。最大で8,635件の金融機関情報が流出した可能性があるとのこと。同社もやはり開示はしていません。

そういえば、今年1月にも不正アクセス被害受けてましたよね、三菱電機。あの時も初報では大したことなかったけど、1か月後、実は防衛関係の情報が流出、、、みたいな展開でした。