投信手数料比べやすく? またまた無駄な書面

金融庁は15日の金融審議会市場ワーキンググループ(WG)で、個人が投資信託などを購入する際の手数料負担を、他の商品と比べやすくする共通ルールを提案する報告書原案を示したそうです。またまた書面ですか。法定ではないといいますが、、、。

顧客に受け入れられない書面

目論見書、契約締結前交付書面など、、、いずれも顧客保護を目的とした法定書面がこれまでもありました。今度は、個人が金融商品を購入する際に、類似した他の商品と手数料やリスクを比較しやすくする共通書式の導入だそうです。日経が7/15付け記事で伝えています。

金融庁の調査によると、投資経験者の7割は他の商品との比較説明を受けていないそうです。金融機関に支払う手数料などを共通の書式で開示し、初心者でも比較しやすいようにする。元本割れリスクの説明も促すというもの。

屋上屋を重ねる。。。屋根の上に、もう一つ屋根を設けるように、無駄なものをこしらえること。いい加減やめませんかこういうの。目論見書も契約締結前交付書面も、説明を尽くせるよう盛り込み過ぎで、結局誰も読んでくれません。

今回もおそらく同様に誰も読んでくれない書面になるんでしょうね。ところで、この「比較」というのは他社の商品も含めて言ってるんだろうか。たぶんそうですよね。自社商品同士の比較と他社商品との比較、、、両方ということでしょう。

真に顧客のためにと勧めた商品。後になって類似商品で手数料が若干安い自社商品がほかにもあることが指摘される。結果、不適切な勧誘行為と言われるんですね。もうやめませんか、書面書面って。

証券取引等監視委員会 ジェイリースへの課徴金計算間違い

ちょっと見落としていたんですが、7/10、証券取引等監視委員会が過去に勧告した課徴金納付命令において、納付すべき課徴金額を計算間違いしていたことを公表しています。本来納付すべき金額より、57万円ボッたくるところでした、、、というトホホな話です。

新規公開時の有価証券届出書

ジェイリースが貸倒引当金繰入額の過少計上をしていたという、いわゆる有価証券報告書等の虚偽記載という法令違反の認定はそのままです。ジェイリースが悪いのは変わらないわけですが、これに対して納付させる課徴金の計算を監視委員会が間違っていたというおはなし。

話は平成28年、新規公開時にさかのぼります。新規公開に先駆け5/18、有価証券届出書を財務局に提出。その後6/3、有価証券届出書の訂正届出書を提出しています。そして6/13、再度訂正届出書を提出し、ここで初めて新規公開に係る価格等の条件が確定したわけです。

5/18時点では株券の発行価額の総額は3億9525万円。ただし、これは参考値でしかありません。で、6/13に確定した同総額は3億8250万円。参考値に4.5%を掛けて1778万円の課徴金を支払え、、、としたんですがこれが誤り。本来は確定値で計算して1721万円が正解でした。

勧告から既に5カ月

監視委員会が課徴金納付命令の勧告を行ったのは今年2/4です。この時、計算を間違えていることが十分うかがえる情報(課徴金の額の計算方法)は公表されているわけです。あれから5カ月。誰が最初に気付いたのか分かりませんが5カ月もねぇ。発行会社もそうだし、引受証券も情けないですな。どこだか知らないけど。

幸楽苑HD 定款変更のお知らせ

6月5日の臨時取締役会において、定款の一部変更について決議し、6月30日開催の定時株主総会に、定款の一部変更に係る議案を付議することを決議したという開示が。その株主総会でも承認されたんでしょうね。けどそのあたりは開示されてない不思議なお知らせです。

定款の変更

第2条 当会社は、次の事業を営む会社及びこれに相当する業務を営む外国会社の株式また持分を保有することにより、当該会社の事業活動を支配または管理することを目的とする。

ここでいう「次の事業」に、2つの事業が追加されました。
・ 労働者派遣業
・ 労働者紹介業
なんだか読んでいてつらいものがありますね。同社は役員報酬及び社員給与の減額(月額給与の20%減額)の実施、社員の夏季賞与の不支給を5/1に決定し、公表ています。

今年度の状況

実際の今年度の商売の状況は、売上高でみて、前期比4月50%、5月62.2%、6月71.5%と苦しい状況が続いています。6月はおそらくどの業界でも、もっとも回復した時期でしょうが、それでも3割減というレベルです。

定款変更の意味

同社の開示では詳しい説明がなされていませんが、派遣業や紹介業を事業に加える目的は、従業員の解雇を避けるために、最近聞くようになったいわゆる「従業員シェア」を実現することなんでしょうか。

たとえ新型コロナで業況が悪化し、一時的に雇用維持が難しくなったとしても、従業員たちが業界の垣根を超えて働き続けられる「場」を提供するための定款変更なのかと、、、考えさせられました。

外出せずに家の中での生活をたのしむ消費傾向、いわゆる巣ごもり消費の拡大で一番ダメージを受けている外食産業。この開示は物凄い危機感を漂わせてます。

222nm紫外線で新型コロナを不活化 ウシオ電機

波長が222nmの紫外線によるウイルスや細菌の不活化(感染力や毒性の消失)という技術が実用化しそうです。222nm紫外線は数分の照射でウイルス・細菌をほぼ不活化でき、人体に照射しても影響がほとんどないといいます。

222nm(ナノメートル)紫外線

従来紫外線によるウイルス・細菌の不活化には254nm紫外線が使われていたそうで、この波長だと不活化効果は高いものの、人体に照射すると皮膚がんや白内障を発症させる恐れがありました。222nm紫外線は不活化効果は同等で人体への影響がほとんどないわけです。

これなら人が生活する空間で、常時照射できます。この222nm紫外線の光源を開発するのが日本のウシオ電機です。コロナショック後、関連するニュースが報じられるたびに同社株は動意付いています

4月21日

222nm紫外線の不活化効果について、コロンビア大学の研究チームが研究結果を公表しました。この日、ウシオ電機は10%以上上げています。この時の株価は1100円台です。

5月20日

ウシオ電機は照明器具などを手掛ける米アキュイティ・ブランズと契約を締結し、222nm紫外線の光源モジュールを提供することを明らかにしました。今年9月には量産出荷を開始するとのこと。この知らせを受けてウシオ電機の株価は1300円処まで、約20%上昇しています。

さてそろそろ

この夢のような技術、早く実現してほしい限りですねぇ。日本にもどうやら第二波がやってきたようですし、オフィスにも学校にも、人の集まるところには222nm紫外線の照明を導入しましょう。

株価を大きく上昇させた先ほどの米企業との独占供給契約は北米地域だけを対象としているようです。つまり日本やアジア、欧州については今水面下で供給先を検討しているところだと思われます。今後どれくらい供給先が拡大し、どれくらい業績にインパクトが出るのか、非常に楽しみな銘柄です。株価は6月に1600円を付け、現在1300円台まで押してきています。

サイバー攻撃 新型マルウェア ロードインフォ(LODEINFO)

JPCERTによると、マルウェアLODEINFOによる標的型攻撃が増加しているようです。悪意あるマクロが含まれたWordファイルまたはExcelファイルを添付したメールにより、マルウェアLODEINFOに感染させるものです。新型コロナウイルスに関する情報や、履歴書を装ったものなどが確認されているようです。

ロードインフォ(LODEINFO)の特徴

7/13付けの日本経済新聞が珍しく本格的にこのロードインフォ(LODEINFO)を取り上げてました。ロードインフォの特徴は、この半年間で少なくとも6回はバージョンアップしていることです。これほどの頻度で改良されるのは珍しいことだといいます。

攻撃側との通信内容を読み取られにくくする変更や、画面表示を画像で盗み取る機能の追加、端末内のデータを暗号化する機能の追加など、短期間で急速に機能が強化されています。

そして、最も気になるのが、ロードインフォが仕込まれたメールは既に半年間で16件届いたことが確認されているものの、海外ではその報告がないということです。日本の企業をターゲットにしているとみられます。

メディア系企業、公的機関、シンクタンクや防衛関連の団体

こういった企業等にメールが届き、感染したケースも出ていると日経は伝えていました。メディア系企業って日経のグループ会社で1万件以上情報流出したやつのこと?。などとついつい思い出してしまいます。そういえば、ホンダが受けた攻撃も完全にホンダだけを目標としていたらしいですね。

これまで日本は世界で最もサイバー攻撃を受けにくい国というのが通説でした。ロードインフォのように、日本の企業等をターゲットにして、どんどん進化していくマルウェアは非常に危険です。企業をターゲットに、といっても仕込まれたメールを開封してしまうのはあなた(社員)です。気を付けましょうね。