トレンドマイクロ 顧客情報流出 公表されない二つの事実

従業員が顧客情報を不正に持ち出し、販売していたことを公表したトレンドマイクロ。プレスリリースでは経緯やお詫びを発表しましたが、この中で二つの事実が明かされなかったと、日経コンピューターが報じています。

公表されない二つの事実

流出した顧客情報がサポート詐欺に使われていたということで、当ブログでも以前取り上げました「ラック株急落(3857) トレンドマイクロ(4704)は大幅高」。今回報じられた、この二つの事実なるモノは、日経コンピューターもしくは電子版の日経XTECHで確認していただくしかないんですが(どちらも有料情報ですので)、トレンドマイクロの情報公開の在り方にはやや疑問が残りますね。

海外の顧客情報ということもあり、外国も含めた捜査当局への協力のため、最低限の情報公開にとどめた、というような事情でもあるんでしょうか。11/6のプレスリリース以降も、なしのつぶてです。

トレンドマイクロ株は高値更新中

そして何より気になるのが、同社株の値動きです。プレスリリースを発表した11/6の株価は5310円。ここから快進撃が始まり、とうとう6000円を付けてきました。悪材料を抱えていた同社がそれを公表し、株価が上昇に転じる。相場の世界では「アク抜け」などと言います。悪材料が出尽くして、株価が下落から反発に転じることですね。

しかし、サイバー・情報セキュリティ管理を本業とする同社が、このような大失態。中途半端な情報を公表して、ヒトの管理が不徹底(内部不正)でした、、、で、アク抜けとはね。情報を売られた被害者が海外の人で、日本人には被害者が出なかったからでしょうか。メディアもほとんど叩きませんでしたね。いろいろと違和感のあることが続いている会社です。

上場子会社3社完全子会社化 東芝

日立が上場子会社の日立化成を昭和電工に売却、というニュースの一方で、東芝は上場子会社、東芝プラントシステム、西芝電機、ニューフレアテクノロジーの3社を、2000億円で完全子会社化すると言います。なぜか、東芝テックはこの中に入っていませんが。

近年の東芝

こんなテーマで書き始めましたが、ご存知の通り東芝は債務超過まで転落し、子会社や事業を徹底的に切り売りしてきました。東日本大震災で原発が深刻なダメージを受け、東芝が主力としてきた原子力産業も崩壊。買収した米ウェスティングハウスの巨額減損処理に粉飾決算の発覚。さらに一昨年の8月にはとうとう東証1部から2部へ降格という顛末。

東芝のこの10年は、関連会社の売却と事業の譲渡の歴史だったわけですね。そんな東芝が今回、子会社の完全子会社化、つまり久々に買っちゃう方の話なわけです。

なんだかいい話題も

東芝について日経で報道されたニュースのタイトル。ここ最近では「量子で挑む高速取引」、「血液一滴で13種類のがん検査」などがありました。いずれも業界のトップを切れそうな技術と言っていいでしょう。こういう良いニュースが報道されるようになってくると、株価が動意づいてくるもんなんですね。

そして、「東証1部への移行基準緩和」というニュースも。これは東芝のニュースではありませんが、東証2部に格落ちした東芝にとっては朗報です。5年は戻ってこれないと思っていたのに、2年で戻れるという、、、まるで東芝のために用意されたかのような基準緩和です。

まだまだ、次の事業の柱がしっかり見えてきてはいませんが、1部に戻ると指数採用に伴う買いも大量に入ってくるでしょう。10年死んでた東芝、風向きが変わってきました。1部昇格も見越して、今のうちに仕込んでおきたいですね。

運転免許自主返納で電動アシスト自転車?

最近、運転免許証を自主返納した高齢者の電動アシスト自転車利用が増えてきているそうです。高齢者によるブレーキの踏み間違いで、多くの人たちが犠牲になってきたことを思うと、良い傾向です。。。と言いたいところですが。本当にそうなんでしょうかね。

自転車に轢かれそうになった

先週の日曜日、雨のせいでウォーキングをいつもより遅い時間にスタート。細めの歩道を歩いていたら、前から高齢者が乗る自転車が。kuniと電柱の間を上手く通り抜けようとしてるんですが、必死の形相でハンドル握りしめ、身体が硬直している様子。見ているこっちが怖くなって、何とかかわしました。

ブレーキとアクセルを踏み間違えている高齢者も、あんな感じなんだろうなと思いましたよ。ブレーキかけて、いったん止まるとかすりゃいいのに。「あの間をすり抜ける」ことに集中して、というか、他の選択肢を考える余裕がないんでしょう。意外にスピードも出てましたしね。

高齢者に新たな武器

運転免許の自主返納は良いんですが、それで新たに電動アシスト自転車は止めてほしいな。今度は堂々と歩道を走れるんですよ。調べてみると、電動アシスト自転車は、時速10キロまでは踏む力の2倍でアシスト、10キロから24キロまでは2倍から0倍までアシスト力が下がっていくように作られているようです。道路交通法で定められてるんですね。

乗ったことがないので、正確なことは分かりませんが、時速10キロ~20キロ近くまで、高齢者でも簡単に出せてしまうと考えてよさそうです。20キロともなるとかなりのスピードですよ。これで歩道上で無防備な人に突っ込んでこられたら、、、と考えると。これ、やっぱり立派な武器です。おまけに突っ込んでくる方はヘルメット着用してたりするし。

シンガポールでは、時速10キロに制限されていた電動キックボードですら、死亡事故が起きるなどで、事実上禁止されたそうです。

とまぁ、いろいろぼやいてきましたが、、、団塊の世代が作る最後のブームになるんですかね。こりゃどうにも止まりませんな。

日立化成 昭和電工が優先交渉権

2次入札が締め切られていた日立化成の売却ですが、残っていると言われていた4陣営の中から、昭和電工が選ばれました。まぁ、2次入札に残った中では順当と言えば順当なところですかね。日経の報道によると、日立製作所の保有株に加え、残りの49%も含めた全株式を取得することを視野に入れているとのこと。

ちと高すぎる買い物では?

同じく日経の記事では、全株式を買い付けるとなると、買収額は9000億円になるとも伝えていますが、昨日の日立化成株が急騰したため、1兆円規模になってもおかしくない展開になっています。いやぁ、マネーゲーム化してきました。この急騰を見越して仕込んできた投資家の皆さん、おめでとうございます。

一方で、買収する昭和電工の方はと言うと、急落です。買収資金の調達で株式を新たに発行することになると、、、ということを投資家は懸念したんでしょうかね。昭和電工の手元資金、現金および現金同等物の期末残高はせいぜい1100億円ですから、何らかの形で巨額の資金調達が必要です。

自社株の新規発行での調達、社債での調達、銀行からの借り入れ、LBO(レバレッジドバイアウト)、いろいろな選択肢はあるでしょうが、いずれにしても昭和電工には財務上の負荷がデカすぎるような気がします。

あれからちょうど1年

2018年11月22日、今からちょうど一年前。日立化成は不適切な検査等に関する特別調査委員会の報告書を受領し、再発防止策を公表するとともに、役員等の報酬減額という一連の処置を実施しました。あれからちょうど一年経ったことで喪が明ける? 何かとタイミングの良い日立の戦略ですが、今回もちょうど一年というところで売却先決定の公表です。これまた絶妙なタイミングですね。

IoT機器へのサイバー攻撃対策

重要生活機器連携セキュリティ協議会(CCDS)はIoT機器向けのセキュリティ認証制度を始めました。IoT機器として先行した家庭用ルーターや防犯カメラなどには、サイバー攻撃に対する安全対策が不十分な機器が多く、近年攻撃の標的になっていました。今後、家電や車載機器などに、さらに展開していくであろうIoT機器に対する「まもり」、重要です。

全体の約5割がIoT機器を標的に

情報通信研究機構が今年1~6月に調査した結果、国内外に設置した観測網でとらえたサイバー攻撃のうち、なんと約5割がIoT機器を攻撃対象としていたそうです。これらの機器は、機器の性能が限定されている、管理が行き届きにくい、ライフサイクルが長いといった、サイバー攻撃に狙われやすい特徴を持っています。

パソコンやスマホなど、通信することを前提とする機器は、IDとパスワードをしっかり管理しますが、IoT機器においては、IDやパスワードの変更すらできないものもあるわけです。

実際に攻撃された事例

IoT機器を狙うマルウェアとしては「mirai」が有名になりました。IoT機器に感染し、乗っ取ったのち、感染したIoT機器を使って指示されたサイトにDDos攻撃を仕掛けます。この際、同じように感染したその他のIoT機器同士がネットワーク上で連携して攻撃を仕掛けるのが特徴です。

2016年には、この「mirai」によって有名なセキュリティブログがダウンするという事件が起きました。また、同年「Amazon」や「Twitter」などの大手ウェブサービスが同様に攻撃され、約5時間にわたって接続不良を起こしています。

ユーザーの意識の問題も

パソコンやスマホがウィルスに感染した。そんなとき、ユーザーはパソコンやスマホのメーカーにクレームを付けることはないと思います。使用者責任がある程度定着していますよね。しかし、これがテレビや冷蔵庫となるとどうでしょう。

知らないうちに我が家の冷蔵庫が「mirai」に乗っ取られ、大手企業のECサイトへのDDos攻撃に参加していたとしたら。莫大な損害賠償請求は?。。。このときユーザーは自身の使用者責任だと考えるでしょうか。