道路舗装用のアスファルト合材の価格を不正に引き上げるカルテルを結んだとして、公正取引委員会は、独占禁止法違反(不当な取引制限)で、道路舗装大手8社に過去最高となる総額399億円の課徴金納付を命じました。
違反事業者 排除措置命令 課徴金
今回の独占禁止法違反、違反事業者は9社です。このうち7社に排除措置命令が出され、8社に課徴金納付命令が出ています。分かりにくいですね、一覧にしましょう。
No 違反事業者名 排除措置命令 課徴金額 課徴金減免制度の適用
1 前田道路 〇 128億円 30%
2 大成ロテック 〇 61億円
3 鹿島道路 〇 58億円
4 大林道路 〇 41億円
5 日本道路 - 34億円 50%
6 世紀東急工業 〇 29億円 30%
7 ガイアート 〇 26億円
8 東亜道路 〇 22億円 30%
9 NIPPO - - 免除
こんな感じです。日本道路とNIPPOを除く7社に排除命令が出て、NIPPOを除く8社に課徴金納付命令が出たということです。NIPPOは違反を最初に自主申告したことで、課徴金が免除されていますし、日本道路は2番目に自主申告したため、課徴金は50%減免されています。
課徴金総額399億円
大手各社はここ数年繰り返し独禁法違反を認定されているため、割増規定が適用され、課徴金額は600億円に膨らむのではないかと言われていましたが、6/19の独占禁止法の改正で399億円に縮小しています。それでもこの数字は平成19年に納付命令が出たごみ焼却炉建設談合の約270億円という記録を塗り替える、過去最高額だそうです。
懲りない奴ら
今回問題となった道路舗装大手9社のうち、いずれかが排除措置命令などの行政処分を受けた事例は、1980年以降に15件もあるそうです。これだけ独禁法違反の指摘を受けながら、この業界の悪弊は改善されることなく、史上最高額の課徴金納付命令につながったんですね。
公取委の調査において、記録の多くが破棄されていたそうですが、「メモを残さないのが良いコンプライアンス」などと言う記述も発見されたとか。彼らがカルテルで儲けたのは主に公共工事。支払っているのは国や地方自治体。我々の税金から支払われているわけですね。我々もこうした企業の悪事、しっかりチェックしていかなければなりません。