二つの銀行に共通のモノ

巨大な屋上看板

当ブログで、東日本銀行とスルガ銀行の不祥事を取り上げましたが、この二つの銀行に共通のモノが。写真を見ていただいた方には通じますかね。巨大な屋上看板(屋上広告板というらしい)です。

記事にした後、都内を歩く際には銀行の屋上を見るようにしてるんですが、見あたりません。メガバンクはたまにあるんですが、地方銀行以下の銀行では見つけられません。ほとんどの場合、壁面に銀行名が入っているか、突き出し看板(袖看板とも言うらしい)くらいなんですよね。

今年の春ぐらいでしたか、三菱UFJ銀行が行名変更するときに、コストを理由に突き出し看板を減らす、みたいな話があったと思います。入居ビルの賃料に加えて別途掛かる看板のコストを削減する、みたいな目的だったような記憶があります。ましてや、巨大な屋上看板のコストとなるとそれなりのコストだと思うんですが、どうなんでしょうね。

東日本銀行は東京が地盤なので本店営業、スルガ銀行は東京支店という違いはあるものの、無駄にコストをかけてるなぁ、という気がします。無駄なコストや強引な投資、その回収のために行員がノルマを抱えて奔走する。あまりにもそれが行きすぎて不祥事を生む。そんなことになってませんかね。

たかが看板、かもしれませんが。。。引き続き屋上看板探してみます。もちろん、ご当地の本店のビルには屋上看板あると思いますよ。ここで言っているのは都内にある地銀のビルね。ご存知の方いらっしゃいましたら情報提供お待ちしております。

つまらない更新ですみません。

クロネコヤマト 過大請求 31億円

9/1 日本経済新聞によると、ヤマトホールディングスは31日、個人も含めた全ての引っ越しサービスの新規受注を中止すると発表した。子会社が代金を過大請求していた問題を受けた措置。外部の専門家による調査では、過大請求の16%が「悪意」のある上乗せと認定した。

引っ越しを手がける子会社ヤマトホームコンビニエンス

社名のとおり、ヤマトホールディングスは持ち株会社なので、実際に不祥事を起こしたのは、子会社のヤマトホームコンビニエンスということです。調べてみると2003年にヤマト運輸㈱から引越事業を継承してますね。従業員数5000人、株主はヤマトホールディングス100%となってます。

ヤマトホームコンビニエンス社長は 和田 誠 氏。7月だったか謝罪会見してた人ですが、今年4月に社長就任なので、実質的な責任はその前の社長ということになります。今年3月まで社長してたのは 市野 厚史さんという人で、この4月からは同じ子会社のヤマトロジスティクス株式会社の社長になってますね。

この人、1988年にヤマト運輸に入社して、2004年にヤマトパッキングサービス㈱の社長になってる。新卒入社で16年目で子会社とはいえ社長です。相当なやり手なんでしょうね。で、2011年から7年間ヤマトホームコンビニエンスの社長を務めてます。

第三者委員会は過大請求について「2010年ごろから徐々に始まり全国的に増えていった」と言ってますから、ほぼこの社長の下で行われた悪事です。発覚直後にほかの子会社に退避とはね。現ヤマト運輸代表取締役社長の山内雅喜氏はヤマトロジスティクス社長から異動してますから、市野さん、まだコース乗ってるってこと?

31億円騙し取って、月額報酬の3分の1を3カ月間自主返上

調査報告書によると、過大請求額は、伝票からさかのぼれる2016年5月~18年6月の2年2カ月間で約17億円。また過去5年間では約31億円と見積もっているらしいです。

主力の宅配事業では、200億円を超える大規模な残業代の未払いが発覚しましたし、「クール宅急便」の低温管理ができていなかった品質問題も。そして今回の引越代金の過大請求。過大請求っていう表現もおかしくないかい?

で、例によって「グループガバナンス改革室」を設置してグループ全体のガバナンス改革に取り組むんだそうです。ヤマトホールディングスは木川真会長や山内社長、神田副社長の3人が月額報酬の3分の1を3カ月間自主返上する。としか書いてないけど、ホントにこれだけで済ましちゃうの?

キャッシュレス決済 第4回

第3回までのお話をちょっとまとめてみると

第2回で、キャッシュレス推進により、さまざまなメリットがあると書きました。たとえば「実店舗等の無人化や省力化」という期待メリットがあるということは、現状ここに膨大なコストが掛かっているということです。報告書では主にモノを売る小売店舗をイメージしていますが、銀行店舗やATMに関しても同じことが言えます。

一方で、第3回では、日本でキャッシュレスが進まない理由として、「ATMの利便性が高く、現金の入手が容易」をあげています。「銀行」を主語にして頭を整理しなおしてみると、話が繋がってきそうです。

まずは大幅なコストダウンの実現

キャッシュレス決済の推進によるフィンテックへの取り組みというと、まだまだそれでどれだけ儲かるのっていうゴールイメージは想像しにくいと思いますが、少なくとも大幅なコスト削減までは目途が立ちそうですよね。

昨年の秋口以降、メガバンクが一斉に大幅な人員削減、店舗の整理やATMの廃止を公表し始めました。銀行としては、キャッシュレス決済は他業種からの参入もあり、避けて通れない。であれば、スタートアップ企業と連携して自らキャッシュレス決済に本気で取り組み、少なくとも従業員、店舗、ATMの大幅な削減については実現できそうだ、と踏んだのではないかと思われます。

メガバンクの取締役会で、フィンテックへの取り組みについてプレゼンする場面をイメージしてください。フィンテックを薔薇色に語ってもいまいち全容が想像できない、理解できない。会議参加者から合意を取り付けるのはかなり難しいと思います。しかしながら、キャッシュレス決済の導入により、店舗が、ATMが、こんなに削減可能で、そのコストダウン総額は・・・。このシナリオは合意が得やすいんじゃないかと。あくまでkuniの想像ですよ。

国民にとっての便利なインフラ=銀行にとっての負の遺産 ⇒ キャッシュレス決済による利便性の提供=従業員、店舗、ATMの廃止による大幅なコスト削減。この関係を理解したうえで、銀行等のキャッシュレス決済が、今後どんなふうに展開していくのか、見ていきましょう。

(第4回 終わり)