ここまでの振り返り
前年度までは地銀の中の優等生として、メディアや金融庁からも高い評価を得ていた当行でしたが、今年度に入って評価は急変。5月にはスマートデイズへのシェアハウス関連融資における審査書類の改竄や偽造など、不適切な融資の実体が表面化しました。
その後スマートデイズ社の破綻もあり、外部の弁護士で構成する第三者委員会を設置して、夏までに不正行為などの実体を調査するとしていました。
第三者委員会による調査結果 1兆円
その第三者委員会の調査の概要が21日分かったと、日本経済新聞が報じたわけです。概要としていることから、委員会の正式な発表ではないようですね。リーク?
同行の融資総額は3兆1500億円、そのうちの1兆円が審査書類の改竄など不適切な行為に基づく融資だったとのこと。はぁ?1/3が「不適切」って、ハンパない。
不適切、という表現で報じられていますが、法令違反のレベルの融資も相当量ありそうです。不適切な営業や審査に関与した行員は全体の2割以上にのぼるそうです。
普通、この2割の営業員で収益の過半を稼ぎ出すというのが、パレートの法則ですよね。前期あたりの稼ぎはほぼ不適切な融資ということでしょう。
カードローンの融資資金を預金に
記事には他にもいろいろ書かれてますが、「カードローンの融資資金を預金に」というのもありましたね。
そもそもカードローン自体がサラ金を銀行の看板のもとで行っており、自己破産が増加に転じてきたと批判されている中、その融資した資金を預金させているということのようです。先日どこやらの銀行が批判を浴びた歩積み両建てってやつですか。それを個人向けカードローンでですと。
明らかに組織として行ってきた不正と言っていいでしょう。取締役の責任は徹底的に追及されるべきですし、執行部隊の幹部も同様です。いやいや、不適切営業行為のデパート状態ですね。酷すぎます。
フィデューシャリー・デューティー(FD)やら顧客本位の業務運営とやらで、金融庁との間でモニタリング対応(アンケートへの回答や直接金融庁に足を運んでの説明など)とかしながら、さぞ美麗なご報告をしてたんでしょうね。
その裏にはこんな業務実体があったとは。これって、行政の責任問うのかなぁ。