ESGって何?
ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったもので、企業の長期的な成長のためには、ESGが示す3つの観点が必要だという考え方です。
ESGの観点は、上場企業に投資する機関投資家の間で急速に広がってきています。銘柄選定において、従来のように業績等の財務情報だけを重視するだけでなく、ESGに対する企業の取り組みも評価するスタイルを「ESG投資」と呼んでいます。
ESG投資は国連責任投資原則(PRI)により裏付けられており、世界1,500機関以上のアセットオーナーや運用会社などが署名しています。世界最大の年金基金である日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)も2015年9月に署名をしました。
つまり、国連が主導する形で世界の運用のプロたちがPRIに賛同し、ESG投資を積極的に推進しているということです。今この記事を読んでくださる方には、一旦「ESG」は「ESG投資」として理解しておきましょう。正確ではありませんが、あとで説明する「SDGs」との関係が理解しやすいと思います。
SDGsって何?
SDGsとは、「Sustainable Development Goals」(持続可能な開発目標)の略です。これも国連を中心として生まれた基準で、ちなみに読みは「エスディージーズ」が正解です。SDGsでは17の目標が掲げられており、それらを達成するための具体的な169のターゲット(目標を具体化した項目)が設けられています。
簡単に言うと、世界を良くして行くためにこの17項目を共有し、各国で取り組んでいくことにしたわけです。そのため政府はもちろん、これに取り組んでいくわけですが、民間企業にも積極的な取り組みが要求されています。投資との兼ね合いでもう少し明確に言うと、上場企業はこの17の目標に向けて取り組まなければならないわけです。
「SDGs」は上場企業が取り組んでいかなければならない、社会課題の解決に向けた世界共通の目標と言えるでしょう。
ESGとSDGsの関係
以上をまとめると、
企業はSDGsに積極的に取り組むことにより社会の課題を解決していき、世界の機関投資家はそうした企業を見極め、ESG投資により積極的に出資して支援していく。
という関係性で理解し、記憶しておくのが良いかと思います。次回はこのESC投資で投資の世界がどんな風に影響を受けるのか、について書いてみたいと思います。