顧客第一とか、、

超人気の企業理念

お客様第一であるとか、カスタマー・ファーストなど、表現の仕方はいろいろあるものの、この考え方を企業理念に盛り込んでいる会社は、日本企業の7割以上に上るんだそうです。

しかしながら、これを本気で進めている企業はどのくらいあるんでしょう。進めているつもりなんだけど実現しない、という企業も多いと思います。

かけ声と実体の乖離

企業トップは本気でやろうとしているみたいだけど、現場は、「そうは言っても収益あげるためにはそんな綺麗事ばかり言ってられない」ってのが本音。経営と現場の間にそもそも乖離があるんですね。経営が現場のことを知らないケースです。

もっと酷いのは、「現場のことも十分分かってるよ、けどこの時代、企業理念の一角にこれを掲げておくのは対外的な常識なんだよ」なんてのもけっこういるんじゃないかな。

顧客第一を掲げながらも、その具体策が示されないから、現場がついて行けないケースも多いと思います。私が以前勤めていた会社もこの部類でした。基本プッシュ型の営業なんだけど、どういう提案の仕方が良いのかを会社が示さないんですね。で、今月はこの商品で行くぞーのかけ声。そりゃ無理ですよね。

そもそも顧客第一は日本の文化に馴染まない

私自身、以前から顧客第一って日本で必要なのか?という疑問を持っていました。現場は言ってることと、やってることの間で板ばさみ。現場を苦しめてるだけのような気がします。日本には「お互い様」という文化があって、近江商人の時代から三方よしという考え方もあったじゃないですか。という程度の思いでしたが、このことについて、榎本博明先生が見事に説明してくださっているのを見つけました。

「CSという概念はそもそも欧米の「自己中心の文化」に対する処方箋だった。日本では、もともと顧客の立場に立った対応が行われており、顧客に対するときに限らず、感じ悪くならないように、気分を害さないようにと、常に相手の気持ちや立場を気遣いながらやりとりしている。だから、CSや顧客第一主義は日本人には不要だったのだ」と仰ってます。とっても納得しました。

詳細については、ビジネスジャーナルに掲載された「人と社会の役に立つ心理学/榎本博明」を是非お読みください。