初めての証券投資 受渡

受渡(うけわたし)

口座開設までは何も怖がることないですよ、というお話でした。ここからは証券取引において気を付けておきたい事を書いていきます。命の次に大事なお金に関わる取引(契約)ですから、少々順番は違うかもしれませんが、「受渡」から。

受渡とは買い付けた有価証券の買付代金を証券会社に支払うこと、または逆に売り付けた有価証券の売却代金を受け取ることを言います。債券の利金や投資信託の分配金等を受け取るときにも使います。実際に会話やネットで表示されるときは、「受渡日」や「受渡金額」といった言葉で使用されます。

約定(やくじょう)と受渡日(うけわたしび)

顧客にとって買いの場合も売りの場合も基本的に一緒ですので、買いの場合で説明します。有価証券、例えば株式の買い注文を出し、注文が成立すると、このことを「約定」と言います。その日のことを「約定日」、その金額を「約定金額」というふうに使います。

約定が成立したら、次は買付代金を支払わなければなりません。その買い付け代金の支払期限日が受渡日です。お金の受け渡しをする日ですね。取引所に上場している商品(株式やETFなど)はT+3と言って、約定日から起算して4営業日目が受渡日になります。

10月15日(月)に約定したとすると、①15日、②16日、③17日、④18日、つまり18日(木)が受渡日になります。T+3という言い方は、約定日を①と考えて、その後ろの3営業日目という意味です。

10月12日(金)に約定したとすると、①12日、13日(土)、14日(日)、②15日、③16日、④17日、となり、17日(水)が受渡日になります。4営業日目というのは間に土日、祝祭日が入ると、これを計算に入れないということですね。ご理解いただけましたでしょうか。

なお、2019年7月16日(火)の約定分から、この受渡日のルールがT+3からT+2に変更されることが決まっています。約定日から起算して3営業日目の支払いに変更されるということです。

また、取引所に上場していない商品や、上場商品であってもその商品を募集や売り出しにより買い付ける場合(市場で買い付けるのではない場合)などは、それぞれに受渡日が別途設定されますので、営業員等にしっかり確認する必要があります。

約定金額と受渡金額

約定金額は、買付単価×数量の計算結果の金額です。例えば、500円の株式を1000株注文して約定すると、約定金額は500,000円です。一方で、受渡金額は約定金額に証券会社に支払う委託手数料が上乗せされた金額になります。委託手数料は証券会社ごとに決められており、同じ証券会社においても約定金額によって変わります。金額が大きくなるほど手数料率が低く設定されているんですね。

例えば手数料率が1%であれば、先ほどの計算では500,000円×0.01で5,000円になりますので、受渡金額は505,000円になります。一方で、有価証券の売却の場合は、約定金額から委託手数料が差し引かれる(495,000円)ほか、税金も引かれることになります。

今回は、証券会社との間で行うお金のやり取りに関する知識でした。次回は実際に注文を出すときの注意点など、書く予定です。