日本企業のIT投資が不足

多くのシステムが老朽化

皆さんの会社でも当てはまりますか?金融機関や証券会社では、かなり深刻な問題になっています。30年も40年も前に基本設計されたシステムがいまだに現役で使用されているんですね。その間、税制や金融の制度等が変更されるたび、新しい商品や取引が始まるたびに、増改築を続けてきた結果、そのシステムに詳しいベテランIT人材もいなくなってしまっているという悲惨な状況です。

kuni自身も最近まで実態を知りませんでしたが、こうした古いシステム、減価償却は終わっていても、システムの運用そのものに巨大な費用がかかっているんです。運用・保守という業務ですね。これもやはりITに掛かる費用、つまり統計上はIT投資に含まれているようです。

経産省によると、日本のIT投資のうち、新規案件に回っているのは全体の2割程度でしかなく、43%の企業はIT関連費用のうち9割を保守に使っているそうです。

最先端のシステムの話題と現実

AI、ビッグデータ、IoT、X-テックなど、最先端のシステム開発やこれらのシステムによるニュービジネスは毎日のようにメディアを賑わせていますが、そうした先頭を走る企業の後ろには、「前向きなIT投資なんて、とても、とても」という企業がほとんどということです。

確かにこれが実体だろうと思います。だからこそスタートアップ企業に利があり、レガシーを抱える大企業にはそうした機動性がないという基本的な構図が生まれるわけですね。

と、理屈は理解するものの、米国に比べてこうした前向きなIT投資が非常に少ないという事実(米国の投資額は日本の4倍だそうです)は、深刻ですね。システム更新を先送りし、捨てられずに使っている古いシステムも、いずれ使えなくなるわけですから。経産省は来年度から、企業にシステム更新を指南する専門家を派遣するそうです。

しかし、最先端の企業とその他多くの企業、このギャップってどうなんでしょう。今はおそらく第何次だか知りませんが、ITブームの最中にあって、メディアに煽られて、先頭集団の映像ばかり見せられているのかもしれませんね。後ろを振り返ってみるとほとんど誰も付いて来てないみたいな。そして、何年か後にはITバブルとか言われてるんだろうか。などと考えてしまいました。これがフィンテックの実像なのでしょうか。もう少し勉強してみます。