温暖化ガス削減 脱炭素化へ向けた日本が誇る環境技術

日経12/16の記事でアメリカズ・プレッジのカール・ポープ副議長の言葉「日本には脱炭素化に役立つ環境技術がたくさんある。イノベーションを起こせる」 。記事では、富士通、NTT、トヨタ、積水ハウス、イオンといった企業の取り組みが紹介されていました。

公害って死語ですか

最近、「公害」という言葉を聞かなくなりました。環境汚染や環境破壊ですね。kuniが幼いころ、まさに高度成長期には工場などから排出される排ガスや廃液、廃棄物で日本中が汚染されていき、大きな社会問題になっていました。公害の二文字を見ない日はないと思われるくらいの惨状だったんです。今の若い人たちは公害という言葉知らないかもしれませんね。

その後、公害を防止するための様々な技術が開発され、川や海、大気もきれいになりました。というか、きれいになったとされています。そして公害という言葉が聞かれなくなり、環境汚染や地球温暖化などのように、日本人にとっての直接的な被害ではなく、地球レベルでの問題に置き換わったように、やや他人事のようになった気がします。日本以外の国では同じことが繰り返されているわけです。

日本の環境技術

日本が公害を克服してきた技術は世界トップレベルにあると言われます。冒頭の副議長の言葉にもあるように、世界に役立つ技術がたくさんあるんだと思います。ただし、その技術で会社が儲かるかどうかは別の問題でしょうし、だからこそ国家レベルもしくはそれ以上のレベルでの後押しが必要になるというものです。

こんな感じで少し調べものしていましたら、面白い記事を見つけました。日経ビジネスなんですが、「環境技術 日本が10位にも入らない理由」という記事。ただし、2011年9月ということで少し古い記事ですね。

それでも内容はなるほどという感じです。あくまで当時の話ですが、「代替エネルギーに関する特許の地域別の割合を見ると、なんと55%を占めているのが日本」とのこと。「太陽光発電に限ると68%になる」んだそうです。

ところが同じ時期にエネルギー・環境技術の国際会議で使用されたデータでは、「日本は世界の上位10か国の中に入っていない」という事実もあるということです。特許の数、つまり基礎的な技術は確実にあるけれども、それを活かすことが下手のようです。記事では「日本は情報戦が下手」としていました。

確固たる環境技術を世界のどこかにある需要に結びつけていく。従来からこうしたビジネスマッチングは総合商社の得意分野だと思われますが、環境技術のビジネス化の実態はどんな感じなんでしょうね。総合商社やメガバンク、国も一緒になって、日本の技術を世界に示していってほしいものです。