ナイス(旧すてきナイスグループ) 創業家との決別

昨年、当ブログでも粉飾決算で取り上げましたナイスグループ。今年3月末、またナイスに商号変更してたんですね。2007年までの旧社名に戻っています。創業家の会長らが逮捕され、粉飾決算が発覚。9/3、この不祥事に対する改善対応の状況を開示しています。

おさらい

元会長が100%保有するA社、その100%子会社にB社という会社があります。このB社にナイスの約30億円の在庫物件を買い取らせていた。B社は資本上はナイスと一切関係ありません。ところがこのB社が買い付けに投じた30億円は、実はナイスから融資された資金。

資本関係はないが、元会長が支配する会社を舞台に、在庫物件を売却して、会計上認められない売り上げを計上し、利益も上げていたという事件でした。

当社元代表取締役会長らとの合意について

というのが開示のタイトルです。改善計画の中であげていた「粉飾決算主導者に対する責任追及」、、、これにに関しては、弁護士を通じて交渉を重ね、ナイスが被った損失の補てんとして元会長らから、1億4200万円の支払いを受けることになったそうです。

また、「創業家との決別」に関しては、創業家が発行済株式の100%を保有していた同社連結子会社(開示文書では2社の社名あり)の株式を、同社グループ会社で譲り受けることで合意したとのこと。

しかし、1億4200万円はちょっと少な過ぎやしませんかね。この粉飾決算で、東京証券取引所からは上場契約違約金として3360万円を徴求され、金融庁からは課徴金2400万円を納付させられています。違約金と課徴金の分は十分担えたという判断でしょうか。

改善対応は着々と進んでいるようですが、今年3月時点で、同社の10番目の大株主に元会長が残ったままですね。個人株主としてはトップ、2.43%で23万4千株の保有。創業家との決別、、、これだけはちょっと気になりますね。