日本製紙 CNF(セルロースナノファイバー)でレアメタル不要 蓄電池

4/27付け日本経済新聞で、「レアメタル不要 蓄電池 新素材CNF、日本製紙が開発着手」という記事が。昨日に続き、将来期待できそうな技術の紹介です。世界的に需給が逼迫するレアメタルを使わない、高性能蓄電池の開発に乗り出すということです。

セルロースナノファイバー(CNF)

CNFについては以前当ブログでも取り上げました。CNFはナノメートルのレベルで細かく切断した木の繊維を、高速で衝突させ一体化させた素材。樹脂などの素材と組み合わせて使うことで、鉄よりも軽く、強度は5倍、耐衝撃性・耐熱性にも優れるといいます。

従来は、樹脂の補強材としての用途で、製品としては構造材のイメージでした。最近よく聞くのは自動車のボディとかですね。これがいきなり蓄電池とは、、、上手くイメージできません。

蓄電池

CNFを積層し、大量の電気をためられるようにするんだとか。原理は一部のEVなどで使う、大量の電気を貯蔵できる蓄電装置(キャパシター)と同じで、急速充放電ができ、電解液も使わないため耐熱性も高まるそうです。

コバルトやリチウムなどのレアメタルが不要で、量産した際の製造コストはリチウムイオン電池よりも抑えられる。さらに、容量は現在主流のリチウムイオン電池の約2.5倍だそうです。夢のような技術ですが、これから開発に着手という段階ですね。

とはいえ、日経の記事によると、「まずは太陽光発電パネルの裏に設置できる大きさ、横1メートル、幅1.6メートル、厚さ1.3ミリメートル、3.2キログラムの製品を開発する」と、かなり具体的な表現が。

この記事を受け、日本製紙株式は同日寄り付きから買われ、一時10.7%高の1,399円まで上昇しました。