「顧客本位の業務運営に関する原則」の定着に向けた取組み

ちょっと懐かしいタイトルです。一昨年の3月に金融庁が公表した『「顧客本位の業務運営に関する原則」の定着に向けた取組み』を、久し振りに読み直してみました。当時はというと、フィデューシャリー・デューティー、顧客本位の業務運営を自社に定着させる取り組みに、金融各社が追われていたころです。

定着に向けた4つの取組み

① 金融事業者の取組みの「見える化」
② 当局によるモニタリング
③ 顧客の主体的な行動の促進
④ 顧客の主体的な行動を補う仕組み

という、4つの取り組むべき課題が最終ページに出てきます。先日「IFA(独立系金融アドバイザー)」という記事を2回にわたり書きましたが、金融庁はこうした従来の証券会社や銀行といった金融商品の販売会社等とは独立した立場でアドバイスをする者を、増やしたいんですね。④の課題の中でその辺りを書いています。

顧客の主体的な行動を補う仕組み

この課題の中で、「顧客にアドバイス等を行う担い手の多様化」をあげていて、「販売会社等とは独立した立場でアドバイスする者などに対する顧客のニーズに適切に対応できるよう、必要な環境を整備する」としています。要するにIFAのような、従来の金融機関とは独立した立場で、顧客に寄り添うアドバイザーが新たに登場できるような環境を造っていくぞ、と言ってるわけです。

実は同じ課題の中でもう一つ言っていることがあります。「第三者的な主体による金融事業者の業務運営の評価」です。「客観性、中立性、透明性が確保される形での、民間の自主的な取り組みを引き続き促進」と説明しています。

各金融事業者の取組みを横断的に分析・評価する事業者が登場してくることを、期待し、促進しようとしているわけです、、、。が、この第三者的な金融事業者の評価機関みたいな存在については、まだ確立されてないみたいですね。kuniが知らないだけかもしれませんが。

その後開催された金融審議会「市場ワーキンググループ」の議論の中にも、この部分だけは出てきてなかったように思います。モーニングスターみたいな、投信や投信運用会社を評価をする機関はありますが、金融機関(販売業者)を評価するというのは、まだ見たことないです。(ちなみに、モーニングスターはSBI傘下なので、第三者かどうかはビミョーですが)。

金融庁が外郭団体として財団なんか作っちゃったりして、天下り先兼第三者評価機関みたいなことになって行くのかな。なんて気もしますが。