三菱UFJ銀行 本部人員半減

連休2日目の4/28、日本経済新聞一面で「三菱UFJ、本部人員半減 23年度までに 営業などに異動」というかなり刺激の強い記事が掲載されました。抜本的構造改革みたいな話は、ほかのメガバンク、野村證券などで相次ぎましたが、ここまで具体的なメッセージは初めてです。しかし、こんなニュースがなぜ連休に入ってから出てきたんでしょう。記事を読んですぐに感じたのはそういう違和感です。

気になったので三菱UFJ銀行、三菱UFJフィナンシャル・グループのホームページを探ってみましたが、そのようなニュースはありませんでした。「インドネシア大手商業銀行バンクダナモンへの戦略出資について」というお知らせが4/29付で出ていますので、連休中も更新はされています。

現時点では法人関係情報にも該当しないでしょうし、レピュテーショナルリスクも高くないという判断なのでしょうか。打消し公表みたいなもの(一部の新聞で〇〇が報道されましたが、当社が公表したものではありません、、、てなやつ)も出されていません。kuni個人的にはこの展開はよく理解できないです。

行員たちにとっては一大事

すでに10連休入りしており、記事を読んだほとんどの行員はお互い顔を合わせることもなく、心配しながら一週間以上過ごさないといけませんよね。経営陣は「日経が勝手に書いた推測記事だから」と完全にスルーしてるのかもしれませんが、行員たちにとっては一大事です。

業績が芳しくない会社で本社から支店への異動というのは辛いものです。こうしたケース、会社としては、「辛い営業現場に出てもらって稼いでもらう。場合によっては退職してもらうのもあり」という判断をしているわけで、異動させられる社員にしてもそのくらいのことは理解しています。

「ひょっとしたら自分もどこかの支店に、、、」。都内に家を構えたばかりなのに、とか、子供が都内で進学したばかりなのに、、、といった節目を迎えている行員も多いと思います。こんなことを考えながらの10連休なわけですよ。経営陣はそういうことまで考えてあげたんでしょうかね。

もしかして経営陣が意図的にリーク

一方で、経営陣があえて10連休というタイミングでリークしたという可能性もありですかね。今後の身の振り方を相談する相手と一緒に居られる連休。時間もたっぷりあるのでゆっくり相談して、考えておいでという意図があった、みたいな。ちょっと考えすぎですか。しかし、もしそうならこの会社鬼ですね。

構造改革を迫られる銀行業界。そのなかで現場に立つ従業員のやる気を高めて、生産性を向上させるために、組合要求の2倍のベアを決めた三菱UFJ銀行。頑張ってくれる行員にはしっかり報いていくが、人員は削減せざるを得ない。そんな舵取りだとは思われますが、連休中の報道に対するなしのつぶてはいかがなものでしょう。